クモノカタチ

山から街から、雲のように思いつくままを綴ります

もしも反対方向の列車に乗れたら

かつて「通勤電車とは反対方向の電車に乗ったら」というテレビ番組があったらしい。

朝の通勤時間帯に電車を待つサラリーマンを捉まえて、その人の会社に番組が連絡をする。一日、彼または彼女を借りていいかと上司に確認の上、通勤とは反対方向の電車に乗って好きなところに行ってもらう。

最初は緊張しているサラリーマンも都心を離れるにつれて心なしか表情が緩む。ただ都会の勤め人の表情が変わっていく様を映し続けるという不思議な番組だ。

鹿児島川内と熊本を肥薩おれんじ鉄道の車窓

思い付きで「今日休みます!」と宣言して反対方向の電車に乗って、いつも行けないところに行く。

私にはそんな大それたことはできないが、時折予定も決めずにプチ放浪の旅に出かけたくなる。ローカル線で車窓を眺めながら本を読む。眠くなったらうたた寝

本当のセレブであればプライベートジェットかハイヤーに乗って移動かもしれない。しかし、そんな大げさなものでなくても、ただ都会から遠ざかる列車に乗る。

それだけの贅沢が時にはあってもいいのかもしれない。

秋田能代五所川原を結ぶ五能線の車窓から

妄想の登山準備

ここ10年ほど4月は忙しくなっている。

忙しいと山へ逃避したくなるのも恒例で、今から夏にはどこへ行こうと、仕事の傍ら頭はそんなことばかり考えるようになってしまう。

以前は行きもしないのに家で山道具をパッキングして、部屋の隅に置いておくというようなことをしていた。

「今にみておれ。スキを見つけたら山に行ってやる」

と怨念のように思いを込めていたわけだが、今はそのパッキングをする余裕もない。

ひたすら頭の中で妄想するだけにとどまっている。

以前はひたすらに軽量な装備を考えていた。

手持ちのPatagonia アセンジョニスト45にダウンシュラフと軽量な1人用テントを詰め、マットもSEA TO SUMMITの半身用エアマット。ストーブはプリムスP-116にEPI GASのチタン製ATSクッカーを組み合わせる。

10年以上使っているグレゴリーのロゴ入りマグカップは持って行こう。インスタントコーヒーは忘れないように。

かつて山小屋の人に「日帰り?」と訊かれたくらいのコンパクトサイズのパッキングに仕上げるのだ。

 

うーむ。気分は持ち上がったものの、画餅というか畳の上の水練というかやや忸怩たる気持ちになってきた。

せめてテントに防水スプレーかけるとかやっとこうかなぁ。

 

これから登山でしたいこと

このところ登山に求めるものが変わって来たような気がする。

私は2012年の12月に初めて(ある程度)本格的な雪山として八ヶ岳天狗岳に登った。その時から数年間はひたすら山登りのレベルを上げることばかりを考えていた。

夏は丹沢あたりの初級沢を登ったり、北アルプスをテント泊で縦走したりし、冬は八ヶ岳南アルプスなどを中心に雪山山行。

かなり遅咲きというか狂い咲きだったけど、それなりに楽しかった。

初めての本格的な雪山(天狗岳登山)

それが徐々に変化したのは2018年くらいで、相方と出会ってのんびり歩くようになってからは山で何を食べるかとか、どうのんびり過ごすかが中心になってきた。

今までは具なしのインスタントラーメンを食っていたのに乾燥野菜を加えたり、現地でオリジナルカレーを買ったり。

去年は白神岳に行って、現地ガイドのおじさんからキノコを教わった。ブナハリダケを大量に持って帰って家で食べると独特の臭みがなんとも癖になりそう。これまで単に山に登っていた時に比べて、山を自分の内部に取り込んでいるような気がした。

今年はキノコか山菜を見つけつつ、キャンプ地で天ぷらか鍋をしつつ山を縦走できたら楽しいだろうなと思っている。

菜の花と躑躅の繚乱

すっかり春になってきた。

春と言えば桜というイメージがあるが、活躍期間があまりに短いので堪能する前に散ってしまうこともある。それに比べると菜の花は少し期間が長いので、「春が来たぞー」と感じることが多い気がする。

 

というわけで先週末に巾着田で見た菜の花畑はこんな感じだった。

菜の花畑は植える必要もないのにすごい規模で咲き誇る。チューリップ畑とかもいいのだけど、どことなく人工ですという感じがしないでもない。

次は利根川沿いにサイクリングへ行った時の河川敷。

これもなかなかの圧巻。

 

菜の花畑の奥に何かを配置するとしたら、これ。

鹿児島・開聞岳に行った時の菜の花畑。

それに対して、菜の花より少し後になると躑躅の時期になる。

躑躅は平地もそうだし、山ツツジもあるので、登山をやっていると見る期間がより長い気がする。

こちらは日和田山躑躅

躑躅の名所と言えば奈良・葛城山で、ここもまた圧巻の咲き具合になる。

最後に山ツツジ

こちらは山梨・鳳凰三山から下山中に撮ったもの。

今年はゴールデンウィーク休めるかな。

休めたら山に行きたいなあ。去年はほぼ休めなかったし。

巾着田で菜の花の花見

まだ先週末日曜日の続き。近場といはいえ久しぶりのお出かけだったので延々と書いてしまう。

和田山登山を午前中に終えてしまったわれわれは310mの山頂からささっと下りて巾着田を散歩した。ここは以前、秋に自転車で来たことがある。曼珠沙華が有名なところでそれを狙ったのだが、すっかり時期が終わっていて、代わりに紅葉がきれいだった。

今回は春。桜は先週末が最盛期だったようで、葉桜になっている。ただ、高麗川沿いの川沿いの並木は立派だ。

加えて菜の花畑がきれい。

さっきまで登っていた310mの日和田山が大きく見える。

ぷらぷら30分ほどして高麗駅に向かった。

この日は暑くて初夏の陽気。相方がクリームソーダを飲みたいと言うので、帰りにレモンスカッシュとバニラアイスを買って家で創作クリームソーダを作って(単にコップに入れただけだが)飲んだ。

山頂グルメをいただく

日曜の日和田山山頂ではホットサンドを食べた。

ちょうど風もなく、汗ばむほどの陽気なのでちょうどいい。もう少し寒いとラーメンとか汁物がほしいところで、さらに寒いと山頂でなく下山してから何か食べたくなるところだ

山頂グルメでホットサンドはある意味最高峰で、時期をかなり選ぶものなのだ。

御大層な書き方をしたが、山頂で食べるものは行動食かおにぎり。少し温まりたい時はラーメンくらいが相場。

山頂は最も風が強いところなので、わざわざ凝った食事を楽しむところではないし、逆に何を食べても美味かったりする。

この春始まったEテレの「将棋講座」では中川大輔八段が山好きということで、将棋講座なのになぜか山に登っていた。中川先生、サービスのつもりか山頂焼き肉を準備していたようだが、正直なところ雪の残る風の強い山で焼き肉は向かない。

焼いたらすぐ口に入れないと冷めるし、何より身体が温まらないのだ。こういう場合は大きめの鍋ですき焼きにした方がいいとアドバイスしたいところだ。

思い出すのは10年くらい前の八ヶ岳で山頂ではないが、すき焼きをいただいた。八ヶ岳の赤岳鉱泉ではアイスクライミング用の待合室みたいな風除けがあり、夜は使われていない。そこで氷点下の中すき焼きを用意してくれた仲間がいて、非常にいい肉を頂戴した。寒い時は鍋に限ると感じたものだった。

まあ、「焼き肉なんて」と書いたけど、外で食べたら倍美味かったりするので山頂グルメはやめられない。



 

森の恵みを食べてみる

日曜は日和田山に出かけて山頂でホットサンドをして下りてきた。

単にハイキングをしたわけで、一番の戦果はというとゼンマイを採ったことだ。これは林道歩きの途中で見つけて結構生えていたので相方と2人して柔らかそうなのを探した。

図鑑があればと思うのだが、こういう時に限って持ってきていない。

とりあえずゼンマイは食べられるし、先日八百屋で見かけていい値段で売っていたくらいだ。魔法使いの杖のような形をしていて、適当に「ゼンマイ」と呼んでいたけど、後で図鑑を見ると2種類混じっていて両方食べられるようだ。

去年は白神岳に行ってキノコを教えてもらったけど、キノコは正直難しい。当然毒キノコのリスクも高い。それに比べると毒草を食べる危険性は低いのがありがたい。

そんなわけで帰って天ぷらにしてみた。

見栄えはしないけど、春のほろ苦い味がする。