クモノカタチ

山から街から、雲のように思いつくままを綴ります

最高のキャンプ場はどこだろう?~北海道を巡る冒険

今回の北海道旅ではテントで6泊した。

内訳は旭岳、網走・呼人浦、ウトロ・国設知床野営場、硫黄山第一火口、羅臼平、羅臼・国設羅臼野営場。学生時代に小樽から知床までを自転車で行った時もメインはテント泊。昨年も北海道ではテントで5泊した。

北海道でテント泊をするメリットは

①テントサイトが芝生で広い

②安い(無料から500円程度!)

③近くに温泉があったりする。

一方でデメリットも少しあって

①車やバイクなどでのアクセスが前提となっている

②キタキツネやヒグマに注意

③買い出しがしにくい。これは①とも共通で街から遠い

総合的に北海道でのキャンプは最高、北海道はテント泊に限る。

 

山中泊は脇において今回泊まったキャンプ場を紹介したい。

①網走・呼人浦

網走では呼人浦に泊った。駅からは徒歩1時間。ほとんど車かバイクで行くところで、徒歩はわれわれだけだろう。網走湖の湖岸にあるテントサイトで、全面芝生。車は乗り入れできないが、バイクや自転車は可。トイレは清潔で無料となっている。

網走のディズニーランドとも言える網走監獄にほど近いのもいい。

天気が良ければ湖岸を眺めながら焚火でもしたいところだ。

難点は近くに温泉、商店などがないところ。それと夏の夕刻は蚊が多いので、のんびり夕涼みをしにくい。

そういうデメリットを差し引いても眺めの良いキャンプ場である。

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網走の呼人浦キャンプ場

②ウトロ・国設知床野営場

買い出し、入浴というデメリットをしっかり満たしてくれるのは国設知床野営場である。

ここはウトロ漁港のある麓から徒歩20分ほど。しかも、野営場の隣に温泉もあり、天気が良ければ展望デッキから夕陽も見えるというところにある(今回は曇って見えなかった)。

人気サイトなので人が多いのが玉に瑕だが、管理人の方も非常に親切。明日から知床を縦走すると話すと、ウトロからカムイワッカまでのバス運行を問い合わせてくれたりした。

去年からコロナのせいかキャンパー同士の交流が少ないのはやや残念。このあたりはキタキツネが出るので、食料品はテントにしっかり入れるようにと注意された。

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ウトロの国設知床野営場

羅臼・国設羅臼野営場

 知床の山地を挟んで反対側に位置するのが羅臼の街である。知床横断道路によってわずか20kmほどの距離となっているが、ウトロに知床岬まで行く遊覧船や知床五湖があるのに比べると観光地としては少し弱い気もする。

ただ、その中で羅臼野営場は羅臼岳登山への基地としては最適で、近くに温泉「熊の湯」もある。広い林間のテントサイトで気持ちがいい。

麓まで5kmと意外と遠いのがネックではあるものの、道の駅にある漁協直営店では一夜干しが買える。ニシンなんかは1匹100円程度なのに、脂が滴るほどの代物で、かなりお勧めである。

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羅臼の国設羅臼野営場

 その他、昔行った多和平とか襟裳岬の近くにある百人浜なんかもお勧めだし、利尻島のゆ~にも温泉と買い出しには非常によかった。

よかったよかったでは最高のキャンプ場という題目に沿わない気もする。とりあえず今回は国設知床野営場をチャンピオンにしたい。

硫黄山からの知床縦走④ 羅臼岳へと羅臼までの下山〜北海道を巡る冒険

羅臼岳百名山の1つである。百名山ともなれば全国から山好きが押し寄せるものと相場は決まっていて、やはりたくさんの登山者が行き来していた。一般ルートは宇登呂の先、岩尾別温泉からの日帰り往復だという。

羅臼岳は海から登り詰めるため、1600mの頂上に対して登山口からの標高差は1400mから1500mくらいになる。奥穂高岳(3190m)が上高地(1500m程度)からの標高差で1500mであることを考えると、この日帰りは結構辛い登山だと言える。ただ、それ以上に硫黄山からの縦走をやってみると、羅臼岳だけのピストンではもったいないなというのが素直な感想だ。

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羅臼岳からの朝焼け

羅臼平にテントを張ったわれわれは翌朝4:30にテントを出て、羅臼岳を目指した。

知床半島は東西を海に挟まれている。われわれが行った数日は東から西から雲が押し寄せ、山頂付近は絶えず雲に覆われた。だいたいが午後になって霧が麓から上がるパターンが多く、島のような気象だと言える。その意味で早朝は最も天気が良く、羅臼平からは最も良い登頂シチュエーションとなった。

羅臼平から灌木帯を登ると羅臼温泉へ下る道と頂上までの分岐に行き当たる。そこに水場があるそうだのだが、この時は水がポタポタ滴るだけだった。

分岐からは岩場が増えることになる。サインが多く、難しいことはないのだが、東西から受ける海風は意外なほど強くて、身体を煽られる。ただ、北を見れば硫黄山から辿ってきた稜線が雲海の中に浮かんでいる。

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知床連山を望む

羅臼岳の頂上には数分いただけだった。

風が強くて身体が冷えてしまう。岩だらけの頂上を後にして花を愛でながらテント場まで下った。

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羅臼岳頂上

羅臼平に取って返し、テントを撤収したらのんびり下山を始めた。テントはフライシートがしっとり濡れていたが、本体はほぼ乾いていた。

羅臼平から羅臼温泉を目指す。当初、4時間くらいで下れると踏んでいた。そうすれば13時の釧路行きのバスに乗り、今日はテントではなく宿に泊まれる。

しかし、下り始めるとこの道が手ごわい。

草繁茂し、足を踏み外すと落ちそうな部分や硫黄の流れる川。地図を見ると渡渉するようになっていた部分では、水量が多くてどこから行けばいいかわからない。後で見たら羅臼温泉からのルートは上級となっていた。

下るほどに汗をかき、ついには当日のバスを諦め、国設羅臼野営場でのテント泊にすることとした。

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渡渉ポイントのわかりにくい川

そういうわけで山中二泊三日、下山して一泊のテント泊となった。羅臼温泉に着いたのは14時前。温泉「熊の湯」に地元の人とともにつかり、5kmあまり歩いて麓のコンビニで食材を買って食事をし、芝生のテントサイトで寝た。

黄山からの知床縦走は標高差も少なく体力的にはさほどでもない。しかし、山小屋もなくヒグマの出る可能性もあり、野性味が保たれているという点では非常に面白い。

硫黄山からの知床縦走③ 第一火口から羅臼平まで〜北海道を巡る冒険

黄山登山口から登った初日、予想外の道に手こずり第一火口の幕営地までしか行けなかった。地図を確認すると2日目は羅臼まで12時間以上かかることになる。朝4:30に幕営地を出ることにした。

天気は晴れ。しかし、知床は海に挟まれた半島であり、予断はならない。雲が半島の東西から押し寄せる可能性がある。

知円別岳の岩壁を巻き、灌木帯を降りるとそこは知円別平と呼ばれる台地となる。

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知円別平からの知床の稜線

 

知円別平はある意味で知床縦走のハイライトと言える。

灌木帯を抜けて突然現れるストレスのない台地。北アルプスの雲ノ平を少しスケールダウンさせたような景色。しかし、人工物が少ないという意味では雲ノ平以上だろう。海が見えるという意味ではここにしかない景色。チングルマが咲き乱れている。

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二つ池の幕営


知円別平から南岳の方に上がると初日に目的地にしようとした二つ池が見えた。とてもここまでは初日に来れなかったということで相方と意見が一致した。

 二つ池からオッカバケ岳、サシルイ岳方面に登り始めたところで山は霧に包まれた。本日のショータイムは終了ということになった。

 

二つ池からボツボツ人とすれ違うようになった。聞けば二つ池には前日7張ほどのテントがあったらしい。

サシルイ岳では環境省のシャツを着た集団とすれ違う。このパーティーは三ツ峰に前日いたらしい。1人の若い女性に第一火口で水が調達できるという話をしたらホッとした顔をしていた。

そこからも次々と登山者とすれ違う。そして必ず情報を交換し合う。熊はいるか、水はあるかなどなど。北アルプスなどでは見られない一体感がある。自然の大きさに身を寄せて乗り切ろうという意識が働くのだろうか。

 

2日目は羅臼平にテント泊することとなった。羅臼岳をピストンして羅臼に下山するには時間がとても足りない。それに霧の羅臼岳を登っても面白くないだろう。

羅臼平には水がないのが厄介だ。三ツ峰で水を汲み、浄水して坂を上がる。

知床縦走の大きな問題に水がある。エキノコックス対策で浄水しなくてはならないし、水場は二つ池を除けば涸れる可能性がある。汲める時に汲んでおけで4Lほどを持って羅臼平へ向かった。

羅臼平はもう霧に囲まれて展望もない。この日は羅臼岳への往復を諦めて幕営とする。テント場はわれわれを除くと3名の登山者がいた。そのうちの1人はつい先日利用した旭岳ロープウェーで働いており、1人は相方の高校のあった市の出身。1人は今われわれが住んでいる市の隣の市にかつて住んでいたという。

広い北海道で日本の狭さを感じつつ夜はたらふく食べて就寝となった。

硫黄山からの知床縦走② 知円別岳のルート迷い〜北海道を巡る冒険

黄山登山道は藪の覆われた道を進み、涸れ沢を詰め、稜線に出るルートとなっている。ようやく稜線に出ると緑と白い斜面の山が見えてきた。硫黄山は硫黄が噴出することから名づけられたとおり火山である。知床と一口に行っても北部の硫黄山付近は火山岩と砂礫が多く、北部は灌木に覆われている。植生が南北で異なるのは八ヶ岳に似ている。

 宇登呂9:30のバスに乗り、硫黄山登山口10:30、稜線に出た時には15:00になっていた。硫黄山の頂上にそれほどこだわりのないわれわれは稜線から頂上までのピストンはパスして二つ池のテント場を目指すことにした。

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黄山直下の稜線から

 知床の山中には4つの指定幕営地がある。北から第一火口、二つ池、三ツ峰、羅臼平の4ヶ所で、他の山と異なるのは熊対策のフードコンテナがある。ヒグマに襲われたことがないのでよくわからないが、とにかく言えることは指定地以外で幕営しない方がいいということだ。

一泊二日で下山する予定だったわれわれは初日に二つ池まで行っておきたかった。

先をいそぐわれわれは硫黄山を通り過ぎ、灌木帯を進み、稜線に突き出た岩稜の間を通って細かい砂礫の稜線を歩いた。ここで前に大きな岩壁立ちふさがった。

 

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知円別岳の岩壁

ここでわれわれは判断を誤った。

一つは現在地。地図で私は南岳の近辺を歩いているものと思い込んできた。しかし、後からわかったのは眼前の岩壁は南岳の北にある知円別岳で、ルートは頂上を通らず、直下の東側を通る。

二つ目の判断間違いはルート。頂上を東に巻くルートはサインもなく、岩の落ちたただの斜面に見える。時刻は16時。日没が近づく中で稜線上をうろうろとサインを探す。先に進むルートが見えない以上は近場の第一火口の幕営地にテントを張るしかない。

ふと斜面から下を覗き込むと下に2つの白い人工物が見えた。

 

 2つの人工物と見られるものは砂と岩の斜面下に見える。しかし、すでに南岳の周辺にいると勘違いしている私にはそれが登山者のためのものか森林整備等のものかわからない。

日が傾く中、私は決断した。斜面は落石の危険性はあるものの傾斜は大きくない。この斜面を下って人工物を確かめよう。稜線から見ると下には1人の登山者の姿も見えた。ルートは稜線ではなく下なのかもしれない。

斜面の端をわれわれは慎重に下った。真ん中は落石の危険性があるのでできる限り灌木帯に近くを歩く。怖がりの相方の歩みは遅いがそれでも30分ほどで斜面の下に着いた。

 

果たして2つの白い人工物は熊対策のフードコンテナだった。

すでに幕営準備に入っていた登山者の方に訊くと、そこが第一火口の幕営場で、私はここで自分の勘違いに気づいた。

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第一火口の幕営

こころならずも来てしまった第一火口の幕営場は素晴らしいところだった。

幕営地は台地になっていて、奥では鹿が遊んでいる。水場は雪渓で浄水しなくてはならないものの十分な量の水が流れている。

もし二つ池にこだわって進めばわれわれの足ではかなり危険なことになっていたかもしれない。結果的にはいろいろな判断ミスによるものだったが、最も良いところで幕営できたとほっと胸をなでおろしていた。

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鹿の遊ぶ第一火口

 

硫黄山からの知床縦走①〜北海道を巡る冒険

 北海道の登山旅。とりあえず大雪山から下山し、北見、網走に滞在したわれわれは観光しつつ悪天候をやり過ごし知床に向かった。

知床は憧憬の地である。大学時代、自転車で小樽から知床を目指した。ちょうど世界遺産になったばかりの知床はごった返していて、知床五湖はヒグマも近寄れないくらいガランガランと熊鈴が鳴っていた。当時も知床に行って羅臼岳に登るということに憧れていたが、天気も悪く断念した。いやそもそも実力不足で登れなかったかもしれない。

以来、憧憬の知床・羅臼岳となっている。

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カムイワッカまでのバス

今回は知床五湖からさらに奥、硫黄山登山口を目指してカムイワッカの湯の滝までのバスに乗った。宇土呂から知床五湖を経由し、バスで行ける最奥がカムイワッカ湯の滝で、温泉の流れる滝がある。

気になるのはバスの音声アナウンスで

カムイワッカ湯の滝から先、硫黄山登山口へは行けません」

と言う。前日に知床世界遺産センターで訊いたところ、シャトルバスは出ているし、現地で申請書を書けば登山口まで行けるとのこと。よくわからないが、バスに乗った以上は行けるところまで行くしかない。

バスを降り林道を進むと、カムイワッカの一の滝が見えてくる。湯加減は上流にある四の滝が良いそうだが、今は登れないそうだ。

その滝の先にゲートがあり、いかにも「行けません」という感じだったが、ゲート前に箱に入った道路利用申請書という紙が置いてあった。どうもこれを書いて、自己責任で道路を通行せよということらしい。建前上は通行禁止だが、申請して自己責任に限り認めるというややこしいやり方を取っているらしい。

ゲートの脇から入ると、下手な国道よりはるかにきれいな道が続いていた。

 

さて、カムイワッカの滝から徒歩数分。硫黄山登山口からいよいよ山に入る。

いつもと違うのは鈴を着けていること。知床五湖ではバカにしていた熊鈴だが、ここでは生命にかかわる。殊に吉村昭羆嵐』なんか読んだ日には常にヒグマの幻影に惑わされることなるだろう。

登山口を入ったわれわれは途中なんてことのないところで藪に入ってしまい、そこで熊の糞と対面してしまい、さらに藪から脱出するのに余計な時間を使ってしまった。

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黄山への登山道は基本的に整備されている。一応、山と高原地図でも実線になっているし、あまり迷うことはないだろう(最初に迷ったのはわれわれが焦りすぎたから)。

ただ、火山ガスが噴出する砂礫地帯を抜け、道が涸沢に入ったあたりから状況が一変する。とにかく藪で荷物がひっかかるし、沢は沢登りの遡行のようにわかりにくい。

今回、利便性を重視してエアマットではなくウレタンマットをバックパックに括り付けていたのだが、それが藪に引っかかって体力を消耗する。さらに沢はどこに巻き道があるのか常に注視しなくてはいけない。私は登れても相方が登れない可能性がある。 

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神経を使いながら沢を詰めていると途中でキタキツネに出会った。さらに頂上下まで行くとようやく2人の登山者に出会う。そのうちの若い日本人男性が

「熊見ませんでしたか?」

と訊いてきた。

「そこの両俣にいましたよ。結構大きかったです」

などと物騒なことを言い出した。怖くなってさらに鈴を鳴らしながら進む。少しするとまた2人降りてきた。

「わー!やっと人に会った!」

と今度は女性2人組。羅臼から日帰りだという。距離を考えると一瞬疑ったが、トレランスタイルの装備と強靭そうな足を見ると本当らしい。

キタキツネ、ヒグマ、ヒト。今日の登山はいつもと違うようである。

灼熱大雪山を縦走してみる②〜北海道を巡る冒険

北海道、北海道!去年も浮かれて来たが、天気予報とあまり相性が良くない。

旭岳からトムラウシまでの縦走を目的にしたものの、これから台風がご来訪との予報なので、慌てて下るしかない。

しかし、旭岳直下で一晩過ごし、翌朝はわずかながら朝焼けなのだ。


雪渓の水は浄水器で濾す。エキノコックス対策で今回はモンベルで取り扱っている浄水器を用意した。エキノコックスとヒグマ対策が重要なテーマだ。

旭岳直下を出たわれわれはトムラウシを諦め火口を反時計回りして北海岳、黒岳を経由して下山することにした。

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テント場のある旭岳直下の落ち込みから大雪山の外輪と見える部分に上がる。すでに雲が南から覆い始め、トムラウシ方面は見えない。

火口の南側は絶えず霧が押し寄せ、視界を遮り、また開いたりと忙しく、天候悪化を匂わせる。記憶はまあまあ高く日が照ると20℃くらいになった。


北海岳からは徐々に標高を下げ、川を渡渉し、再び黒岳に上がることになる。

川沿いには雪渓と花。チングルマが咲き乱れ、北アルプスのような景色に。人は少なく、まるで雲ノ平のような景観。花の多さは雲ノ平以上か。

「これで明日も天気いいなら縦走したいなぁ」

できないことと知りつつ相方と言い合った。

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黒岳から先は急に暑くなった。

風が止まり、ハエとアブが大量に群れている。ロープウェイとリフトを乗り継ぐとかなり高いところまで行けるらしく、小さい子どもが増えた。

黒岳にはもうガスがかかり、展望は期待しにくいが、ちょうどいいハイキングになる。頂上には涼しい風が吹いている。


私たちは黒岳のリフト乗り場まで下り、迷った末にロープウェイ駅までは歩くことにした。

リフト乗り場からロープウェイ駅までは意外と悪路だったがなんとか雨が降る前にロープウェイに乗り込むことが

できた。

灼熱大雪山を縦走してみる①〜北海道を巡る冒険

夏休み2021。東京五輪の女子マラソンが札幌で行われている、その日に旭川空港に降り立った。

天気予報は台風が来たり低気圧の影響があったり微妙に揺れ動いた。休み前の数日間は連日計画を変更し続けた結果、当初の大雪山からトムラウシまでの大縦走を諦め、大雪山の旭岳から黒岳を縦走することにする。

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初日は羽田から旭川空港に飛び、直接旭岳ロープウェイを目指した。バスがちょうどいい時間にあるのに、時間を間違えて乗り過ごすという大ポカを犯し、タクシーにてロープウェイ乗り場に着いた。

本来は2時間ばかりかけて登るべきなのだろうが、天気が悪化しそうという言い訳のもと、ロープウェイを使って1500m付近へ。麓は最高気温37℃の予報。ロープウェイ駅も十分暑かった。

夏休みらしく子どもの比率が高い。ロープウェイ付近の散策路を少し巡り、いよいよ旭岳を目指す。


暑い。異常に暑い。

避暑のために北海道に来てこんな目に遭うとは。オリンピックランナーも同じことを考えているだろう。まあ登山とオリンピックのマラソンを同列にはできないけど、とにかくこの日は暑かった。

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旭岳山頂は霧に閉ざされ、すぐ下の幕営地に下る。雪渓が残るところがさすが北海道。少し涼しい。

雪渓下の幕営地が今夜の寝床。水場は雪渓の溶けた水。夕暮れには太陽と雲、雪渓の冷気の生む霧から幻想的な光が満ちていた。

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