クモノカタチ

山から街から、雲のように思いつくままを綴ります

十代、二十代、三十代の身体の変化は

今はマラソン大会のため、夜に走っている。

30代に入りたてだった頃はがむしゃらに距離を伸ばそうとしていた。帰宅して1時間半走り、シャワーを浴び、ご飯を食べて寝るという生活で、木曜くらいには疲労が溜まって起きた瞬間から疲れがあった。

ここ数年は無茶をすると膝周りや足の裏、その他至るところの故障の原因となるので加減しながらの練習となっている。

思い返せば、十代の頃は体力がなかった。

部活もしてなかったし、継続的な運動もしてなかった。多少筋トレをしたくらいだ。ただ、寝れば回復するという身体ではあった。

二十代に入り、自転車にキャンプ道具を積んで走るようになり、体力が付いてきた。北海道では阿寒湖あたりから帯広までの180kmを10時間で走った。

二十代後半からは継続的な登山とランニングを始めて、筋力が伴い始めた。自転車は案外筋力を要求されない。ボルダリングをしながら体重も絞り、雪山にも出かけるようになった。

ただ、三十代に近づくにつれて回復力がやや鈍くなる。

プロレスラー・桜庭和志が「二十代の時はラウンド間の3分で回復できたが、三十代になると戻らなくなった」と書いていた気がする。私の場合、寝て起きてダルい。登山では12時間くらい連続で動けるのに、一度体力を使い切るとしばらく戻らないのに時々愕然とすることがある。

徹夜でカラオケなんてもう無理だ。

 

三十代半ばになると練習のやりすぎで故障が出るようになった。

特に4年前はマラソン大会の当日まで足を引きずる状態。なぜか大会中に治ったが、その後も慢性的にあちこちが痛い。

そして今は故障しない程度に加減しながら走っている。どこまでできるかわからないが、2月に高知を楽しく走れるように練習を続けたい。

山から下りたら食べるもの

雪山に行くとわかるのが、非常に腹が減るということだ。

トイレに行って用を足すだけで湯気が出る。湯気は外気温と排出物の温度差みたいなものだから、たくさんエネルギーを出したことになる。一方で、雪山で食べるのはラーメンとかアルファ米などの軽い食料なので、消費が供給を上回り、結果腹が減る。

下山時に「何食べたい?」と訊き合うのは合言葉のようなものだ。

そんなわけで過去の写真をいろいろ見たが、圧倒的に揚げ物が多い。

山がある県というのは長野や山梨のように海なし県だったりするので、海の幸が少ない。しかし、身体を消耗してから蕎麦というのもきつい。そこで信州のB級グルメ・山賊焼きを選んだりするのだ。

 

去年2022年行ったところで振り返ってみるとこんな具合になった。

北八ヶ岳から硫黄岳 蕎麦(食べるタイミングを失った)

②雲ノ平から富山へ下山 寿司(富山といったらこれでしょう)

岩手山 とんかつ(岩手名物が見つからなかった。盛岡冷麵というのもちょっと・・・)

九重山から湯布院へ下山 とり天と地鶏(やっぱり揚げ物か)

見事に揚げ物が多い。

そういうわけで先日八ヶ岳から下山したら何を食べるかと相方と言い合った。相方は「カレーがいい」と言う。

登山口にある八ヶ岳山荘でメニューを見るとカレー800円、カツカレー1000円とある。200円でカツが付くならと2人して大きなカツカレーを注文した。

冬の八ヶ岳に持って行ったカメラ

冬山に行くのにあたって一番の悩みはカメラ。そう何台も持っているわけではないので、選択肢も何もないけど、一応書いておこう。

私が現在使っているのはCANON EOS Kiss X10。ミラーレス一眼全盛となりつつある中で最軽量の一眼レフを使っている。

なぜミラーレスにしないのかというと、電池の持ちの問題。

ミラーレスには一眼レフにあるようなファインダーはない。ファインダー部分に映像を映しているようなものなのだ。

冬山だと電池の減りが非常に早いので、いざ撮ろうという時に電池切れとなる可能性を考えて一眼レフにしている。実際、今回ファインダーを使わずに、液晶画面を見ながらマニュアルモードで撮ろうとしたところ、電池の残量低下が表示されて焦った。フル充電してきてこれだから、寒いととにかく電池が勝負の鍵となるのだ。

撮るときの理想はマニュアルモードでピントも絞りも手動でやることなんだけど、最近はプログラムオートで、オートフォーカスもONにするというズボラな撮り方。

言い訳をするとまつ毛が凍ったりして、ファインダーを覗きながらピント合わせがしにくいし、じっとしていると寒いのだ。

以前はX4を使用していた。X10との違いは液晶が常に出たままになっている。

X10は液晶をひっくり返すことができるので、普段は液晶を使用せずに撮っている。カメラ本体は剝き身のままで持っているが、液晶を使用しなければ電池は結構持つ。

そんなわけでズボラなカメラマンだが、奇跡のショットを夢見て毎度山にカメラを運んでいる。

冬の八ヶ岳に持って行った装備たち(ウェア編)

私は寒さに弱い。特に末端冷え性だ。雪山に行くのは寒さとの戦いなのだ。

そんな寒さに弱い私の寒さ対策中心のウェアについて書いておきたい。

①アウター・・・ガルバナイズドジャケット・パンツ(パタゴニア

やっぱりシンプルで使いやすい。欠点は、ポケットのジッパー紐が少し小さくて握りにくい。今回は行動中にポケットはほぼ使わなかった。

yachanman.hatenablog.com

②ミッドウェア・・・ナノエア(パタゴニア

いつもならフリースだが、寒そうなので化繊ダウンにしてみた。フリースに比べる嵩があるので暖かい。一方で、気温が高いと汗をかいて危険だろう。

今回は単独で行くよりスピードが遅いので、暖かさを優先した。早朝の赤岳頂上で日の出を待つのにはちょうどよかった。

yachanman.hatenablog.com

③インナー・・・キャップリーン サーマル(パタゴニア

裏地に突起があって暖かい。最近はウールから化繊に戻っている。ウールはじっとしているときの保温力が強い代わりに耐久性がない。

ボトムのインナーはモンベルのメリノウールを使用しているが、そろそろボロボロだ。

④手袋・・・オーバーグローブ(カモシカスポーツ)+ヒマラヤングローブ(ナックナーグ)+メリノウール グローブ タッチ(モンベル

今のところの最強タッグかな。一度温まると比較的維持できる。

これまではブラックダイヤモンドの3本指手袋・ソロイストを使っていた。これは化繊のインシュレーションの入ったモデル。わりと暖かいものの、すぐに冷めてしまう。それに比べると未脱脂ウールを使ったヒマラヤングローブはじんわりと暖かさが持続する。

ブラックダイヤモンドの手袋

ただ、そもそも冷え性なので、運動量を上げないと血が指先にまで巡らない。動き続ける能力がとにかく必要だ。

yachanman.hatenablog.com

⑤登山靴・・・ファイントムガイド(スカルパ)

ゲーター付の厳冬期用。人の多い八ヶ岳くらいならスパッツなしで十分。

靴付属のゲーターにアルターパンツを入れるべきか外に出すべきか、いつも悩む。

他に細々したものはいろいろあるけど、メインどころはこんなところ。

寒いのは難儀だが、それを補って余りある美しさが雪山にはあるのだ。

冬の八ヶ岳に持って行った装備たち(ギア編)

今回の赤岳登山の装備の備忘。持って行ったギアについて書いてみよう。

 

私の装備

バックパック・・・アセンジョニスト45(パタゴニア

今は廃版。45ℓのわりによく入る。雨蓋がなく、上部のフライシートを伸ばすと、容量を拡張できるのが特徴。

②テント・・・ステラリッジ3型(モンベル

夏でも冬でもこれを使っている。フライシートも夏用のままなので少し寒い。

③寝袋・・・ダウンハガー650 #0(モンベル

モンベルの寝袋でも最も温かい部類のもの。ダウンは650FPなので、800FPのものに比べるとやや大きい。重さも300gくらいは重いらしいのだが、それは気になったことはない。

④マット・・・リッジレスト(サーマレスト)

定番のマット。冬はすべてマットの上で作業をすることになる。したがって、凹みやすいエアマットは使いにくい。

⑤アックス(ピッケル)・・・ハウンド(クライミングテクノロジー

やや前傾したバリエーションにも対応のモデル。赤岳ではストレートシャフトで十分だった。

クランポン(アイゼン)・・・G12ニューマチック(グリベル)

定番セミワンタッチモデル。久しぶりに出したら錆びだらけ。爪もかなり丸くなっていた。

⑦ヘルメット・・・サラマンダー旧モデル(グリベル)

細かい傷だらけだけど、岩が当たったら大丈夫かな?

⑧ストック・・・トレイル(ブラックダイヤモンド)

ウィメンズモデル。メンズほど長くならないけど、私の身長(172cm)なら問題ない。

 

相方の装備

バックパック・・・イエティ50(ブルーアイス)

シンプルなクライミングバックパック。こういうのが一番使いやすい。

②鍋・・・焚火缶(DAG)

③ストーブ・・・IP-2243(イワタニプリムス)

40年くらいは形状を変えていない古いモデル。20年くらい前に買ったけど、まだイグナイターは機能するし、火力は安定している凄い奴。

④寝袋・・・ウルトラライトダウンハガー800 #1(モンベル

私は#0でぬくぬくだったが、相方は#1だと足元が冷えたという。

⑤マット・・・Zライト(サーマレスト)

⑤アックス(ピッケル)・・・モンテローザ(グリベル)

ストレートシャフトのシンプルなやつ。赤岳にはちょうどいい。

クランポン(アイゼン)・・・バサック(ペツル)

8本爪のワンタッチモデル。どうも相方の登山靴(AKU)とは少々相性が悪いようで、なかなか装着できなかった。

⑦ヘルメット・・・エリオス(ペツル)

シンプルなモデル。相方が被ると頭が縦にデカくなり、似合わない。どういう人にヘルメットが似合うのだろう?

⑧ストック・・・アルパインポール(モンベル

しょっちゅう縮まない、伸びない、とトラブルを起こすが全然壊れない。ストックはシンプルな方が安心。

 

そんなわけで、やや長くなったけどギア編。

2人とも重量は12kgくらいだろう。冬は軽量化が楽しい登山のカギとなる。

今度は一応ウェアについても書き留めておきたい。

久しぶりに雪の八ヶ岳・赤岳登山②

翌朝は隣のテントの音で3時半に目を覚ました。

テントの中はマイナス13℃。久しぶりの寒さがこたえる。アルファ米2袋を相方と交互に食べ、お湯を飲んで出発。文三郎尾根から赤岳を目指した。

トレースははっきりして、歩きやすい。前夜の風でトレースが消えることはなかったようだ。傾斜も大きくはないので、アックスは石突きの部分を使って登る。

今回はテント場を早く出過ぎたようだった。

頂上直下の岩場に差し掛かるまで、太陽の光が見えない。代わりに月は煌々と照っている。頂上に着くと、すでに2人が日の出を待っていた。

4人で風を避けた部分に立ち、寒さに足踏みをする。相方が「みんなトイレ待っているみたい」と笑った。

そして日が昇る。

この時間が登山を含めたアウトドアで最も良い。特に晴れている日は神々しさすら感じる。

寒いので日が昇ったのを見届けて、横岳方面に進む。

完全に太陽が出ると青空と白い峰。地蔵のある分岐から地蔵尾根を下山することにする。

久しぶりの雪山ですぐに指先が冷たくなり、やや大変だったが、風は弱く天候には終始恵まれていた。これから何回このような景色を見れるだろうか。

久しぶりに雪の八ヶ岳・赤岳登山①

久しぶりに雪山に行こうということになった。

雪山といえば12月末にも久住山に登ったばかり。ただ、あの時はクランポンもアックスも使わず。私なんぞは、ストックもチェーンスパイクといったものも使わないまま下山してしまった。

ここ最近、雪山装備も錆だからけなので、八ヶ岳でも行くか、と相なった。

バス停のある美濃戸口から登山口の美濃戸までは案外雪が少ない。美濃戸口なんて雪がないくらいだ。

それが標高を上げ、美濃戸山荘を過ぎると一気にふわふわの雪景色に変わる。

美濃戸から南沢に入り、行者小屋を目指すと消火剤を撒いたような木々が登場した。

久しぶりの積雪期登山だが、こんなことは初めて。湿度が高いのかとも思ったが、雪自体はサラサラしている。

行者小屋の手前に立つと横岳がドンと目の前に。早朝は晴れていたのが、午後になると少し雲が出ていた。

そういうわけで、一日目は行者小屋でテントを張って終了。

寒いので寝袋に入ってしまうと、もう出たくない。無風で天気も良かったが、結局は寝不足もあってテントの中でごろごろして過ごしてしまう。

明日は晴れたらいいな、とか呟きながら、暗くなると早々に寝てしまった。