クモノカタチ

山から街から、雲のように思いつくままを綴ります

登山

いざ!北アルプスの楽園へ〜夏の雲ノ平山行④

山行2日目は4時半に双六小屋を出発。天気予報は曇りだったが、空は晴れていた。 天気がいいので双六岳を目指す。 のんびり登っていると途中で日が昇ってきた。この日は曇りか雨予報だったのが、見事に外れたらしい。 双六岳まではグイっと上がって広い稜線…

テント泊の醍醐味は?〜夏の雲ノ平山行③

双六小屋には3時頃着いた。本当は三俣小屋が目標だったが、この日は無理。荷物が重すぎた。 ちなみに今回の重量の原因となっている食料を書いてみると ・レトルトのカレー・深川めし・牛肉のワイン煮など7食 ・米5合 ・インスタントラーメン6食 ・インス…

小熊とオコジョとの遭遇〜夏の雲ノ平山行②

財布忘れとかテント泊のリサーチ不足とかはさて置いて、ノコノコ歩き出した私たちがまず出会ったのは熊だった。 去年、知床に行った時はヒグマが怖いので、バックパックに鈴を付け、ガランガランと歩いた。ただ、今回はごまんと登山者のいる人気ルート。まあ…

雲上の楽園へのトラブル登山〜夏の雲ノ平紀行①

2022年の夏休みがやってきた。 もう待ちわびた待ちわびたわけで、毎日天気予報を睨み、計画を立てては壊ししていた。 最終的に、できるだけ長く、のんびり山上で過ごすをコンセプトに北アルプス・雲ノ平を目指すことにした。 さて、今回の山行の特徴から書い…

夏山縦走のススメ~出発の勇気

今年は天候不順で、明日の天気も読めない日が続いている。 「降るぞ、降るぞ」と見せかけて降らなかったり、突然豪雨になったり。山の方ではかなり変化が激しい。山での悪天候はすなわち命にかかわるので、十分に中止の理由になる。気合と根性で乗り越えられ…

夏山縦走のススメ~登山体の作り方

今年は特に暑い。 暑いのは苦手である。寒いのも冷え性なので苦手である。じゃあどっちかというと暑くても脱ぐには限界があるので寒い方がいいので山に行きたい。 しかし、高所に行くには身体づくりが必要だ。 私の20歳の時の体形は172cm、62kg。中肉中背。…

夏山縦走のススメ~3000mの歩き方

「今年はどこか行くのか?3000mの山は全部登るとか?」 と役員から唐突に訊かれた。どこかとは山である。 ところがこの夏は天候不順。おいそれと高所に行きづらくて困っている。 今年は暑いので高いところに行きたい。 日本で高いところと言えば3000m峰とい…

夏山縦走のススメ~天気について

今は毎日天気予報を見るのが日課になっている。夏山の縦走を計画していて、つい気になって見てしまうのだ。連日暑いので早いところ高所に逃避したい。 ところが週間予報に並ぶのは雨、雨、雨。台風も次々発生とある。小学生の頃、「日本列島の夏は太平洋高気…

登山における下山後トラブル集

先週末の八ヶ岳登山は下山時にトラブルが続いた。 まず美濃戸口に下りてバス停近くにある八ヶ岳山荘で切符を買おうとすると「次、4時間後ですけどいいですか?」と訊かれた。 一瞬何のことかわからない。時刻は10時30分で11時台にもバスがあったと記憶して…

八ヶ岳の峰に咲く花・花・花

先週は八ヶ岳を北から縦走した。 北は水気を帯びたような緑。南は乾いた岩。植生の違いが面白い。その中で撮った花の写真をご紹介。 ただし、撮ったのはずいぶん古くなった防水コンデジ(OLYMPUS TOUGH)で、花の名前も調べていないのでご容赦を。 ヤマツツ…

北八ヶ岳~硫黄岳縦走テント泊登山③

テント泊の至福は何か。 昼寝、昼酒、昼風呂となれば完全なダメ親父の完成になるわけだが、まさにそれである。風呂はないケースが多いのだけど、着いたら本でも読みながら酒を少々。夜は日が暮れれば眠る。 今回はエアマットを替えたこともあってぐっすり眠…

北八ヶ岳~硫黄岳縦走テント泊登山②

八ヶ岳は言わずと知れた信州の山で、富士山より大きかったという伝説も残っている。昔、富士山の神様が自分より大きい八ヶ岳の神様を叩き潰したため、八つのギザギザの峰になったんだとか。 なんとも言いようのない神話だが、叩き潰されたせいなのか、八ヶ岳…

北八ヶ岳~硫黄岳縦走テント泊登山①

今年はいつの間にか梅雨明けしていて、6月から異常な暑さとなっている。 例年なら暑い時期は高山か北海道あたりに逃避していたのが、間に合わず、ダラダラ汗を流している。まあそんな生活にも耐えかねて八ヶ岳に行ってきた。 梅雨が明けたとはいえ、天候は…

山小屋ごはんのいただき方

今から夏にどこへ行くかで頭がいっぱいになっている。 去年、一昨年と北海道を長期で旅行した。涼しいし最高の旅行だったわけだが、今回は飛行機が取れなかったりで、久しぶりに北アルプスを長期縦走しようかと思っている。長野か岐阜から入って、富山県に抜…

一生のうちに富士山、何度登る?

梅雨入りしてしまった。 紫陽花を見るのは好きなのだけど、出かけにくくて困る。こういう季節になると余計に山登りに行きたくなるから不思議だ。 東京近辺で登山を始める人はまず高尾山か金時山、大山あたりに行く。そして、そこから遠くを眺めて富士山に登…

魂の震える登山名文集④~角幡唯介

今から5、6年くらい前、年間24回登山に行っていた。つまり月2回ということになるのだが、週末登山者としては行ける時を全て費やしたことになる。 登山は天気が悪ければ行けないし、休日出勤もある。山に行かない日はボルダリングジムへ行っていた。 当然…

魂の震える登山名文集③〜服部文祥

好きなことをして生涯過ごせたらと誰しもが考える。今、それを実現できるのはユーチューバーということになるだろう。ただ、小学生のそうした願望を分別ある大人たちは断固として否定する。「世の中そんなに甘くない」と。 一方で小学生の頃からの夢を実現し…

魂の震える登山名文集②〜山野井泰史

御嶽山の噴火があった時、「あの日、山に行ってた?」と何人かに訊かれた。私がしょっちゅう山に行っていることを知ってのこと。御嶽山は遠目には美しい山だが、登って面白そうでもなかったので登る対象に入れたことはなかった。 ある人にはこう言われた。 …

魂の震える登山名文集①〜宮城公博

梅雨間近。週末はちょっとランニングするだけでダラダラ過ごしてしまう。 そして山に行きまくっていた頃を少し懐かしく思うようになった。 最近、低山ハイクくらいで山屋というより老後ハイカー。これではいかん、というわけではないのだが、登山者の名文を…

奥多摩・三頭山の虫祭り

ちょっと間が空いたけど、先週は奥多摩・三頭山に行ってきた。選んだ理由は特になく、行ったことがないというだけ。とにかく天気が良くてどこかに行きたかった。 三頭山は奥多摩に位置するのだが、多くの人は武蔵五日市方面からバスに乗ってアクセスするよう…

山に向かうバスの中での会話は

梅雨入りする前に「山が足りない」ということで奥多摩・三頭山に行ってきた。この模様はまた次回に。 コロナ禍で何が残念と言って、人との交流がなくなることほど残念なことはない。特に行き帰りのバスでは偶然隣に座った人と意気投合して、なんていうことが…

登山と故障の遍歴③~左膝の疼痛

アスリートの平均引退年齢はどのくらいだろう。プロ野球だと20代後半、フィギュアスケートなんかは十代らしい。 昔、ヤクルトファンが時の野村克也監督に「ジジイばっか使ってんじゃねえよ!」などとヤジっていたが、ジジイと言っても30歳くらい。 世間では…

登山と故障の遍歴②~右手薬指の靭帯

奥田英朗『延長戦に入りました』というエッセイ集の最初に、日本人は故障フェチではないかという文がある。確かにアスリートが故障を乗り越えて手にした栄冠は、単なる史上最年少とか最速記録より心打つものがある。 オリンピックで言えば山下泰裕も古賀稔彦…

登山と故障の遍歴①~右足首の捻挫癖

最近、トレーニングをサボっていたら左脚の痛みがいつの間にかなくなっていた。 縦走登山、トレラン、クライミングと、のべつ繰り返していると、どこかしらが痛くなる。2月にマラソン大会の予定だったので、長距離ランを繰り返していたら、左脚の外側に鈍い…

登山を動画に残すということ

久しぶりに土日出勤をしないでのんびりした。結局半日家で仕事をしていたのだから、のんびりとも言えないのだけど。 日中は散歩がてら走り、家に帰って、夏の縦走ラインを考えつつ、ボーっと登山関係のYouTubeを見てしまった。 かつて動画づくりをやってみた…

山小屋に生きるということ

週末は工藤隆雄『山小屋主人の炉端話』を読んだ。1998年から2000年まで『岳人』に連載されていたコラムで、表題のとおり山小屋の主人の思い出話が綴られている。 ヤマケイ文庫 定本 山小屋主人の炉端話 作者:工藤 隆雄 山と溪谷社 Amazon 思い返すに、私はあ…

夏の長~い縦走はどこがいい?②

隈なくは行っていないけど、それでも長い縦走ルートを考えるとすべて未踏ラインというところは少なくなった。 それでも縦走するなら自分にとっての未踏がいい。 そこで未踏(マニアック)で面白そうなルートを考えてみた。 去年行った旭岳から黒岳の縦走 ①大…

夏の長~い縦走はどこがいい?①

残雪期登山の妄想を書いていたら、文字通り妄想で終わってしまった。まだ行けるという希望を残しつつ、夏の長い縦走について妄想してみたい。 これまで私が行った最長の縦走は、4泊5日。 1日目:七倉~船窪小屋~黒部湖~奥黒部ヒュッテ 2日目:奥黒部ヒ…

登山者にはなぜか読書家が多い件について

なんだかバタバタしているうちにゴールデンウィークが終わっていた。 今度はいつの間にか梅雨に入って、紫陽花が咲いて散って、夏になっていてということになるのだろう。 梅雨と言えば読書になるわけだが、常々感じるのは登山者、特に1人で登る人に読書家…

下山後のご褒美ご飯は?

先日、川苔山に行った帰り、珍しく外食して帰った。 我が家において外食、特に夜の居酒屋なんかはかなり珍しいので、ここのところはもっぱら登山の後となっている。 登山で疲れているし、カロリーも消費したので、ヨシとしようという魂胆である。 下山後のご…