クモノカタチ

山から街から、雲のように思いつくままを綴ります

ドランゴ TRKの防水が少し甘い件

北海道をやや長期で旅行した。

本州と違って梅雨もなくカラッとした爽やか気候で、と行きたかったところだが、梅雨前線の残党なのか、天気が安定せず、雨が多い日が続いた。雨を避けてトレッキングや登山に勤しんだものの、登山道は当然びちゃびちゃで、どろどろが今回最大のテーマになった。

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これが私にとっての初代トランゴTRK

この旅自体は大変面白かったので、いずれその総括もしようと思う。ただ、この旅行中、常に頭を悩ませたのはトレッキングシューズである。私はここ数年LA SPORTIVAのトランゴTRKというモデルを愛用している。思えばこのモデルを初めて履くときはなぜか雨だった。

初めて履いたのは黒部下ノ廊下。もともと雪解け水が多く流れ出すエリアなので、びちゃびちゃは覚悟。それでもおニュー(って最近聞かないな)の靴を濡らすのは気が引けたが、山でそんなことは言ってられない。誇らしげにGORE TEXと書いてあるのは何のためだである。

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発電所の先、雨のつり橋

そんなこんなでこの時は防水透湿を遺憾なく発揮したのであるが、読売新道から大キレット縦走や白馬に行ったあたりから徐々に防水が不穏なものになっていく。

なんちゅうか足の甲のあたりからしみだしてくるような気がするのだ。ここはソールの柔らかいこのシューズにとっては良く曲がる部分なので、使いこむと少し弱い気がする気がしたものの、これまでのトレッキングシューズは4年くらいは使っていたので大丈夫だと信じていた。しかし、このトランゴ君は2年弱からその傾向を露わにし、白馬で雨に打たれたときはもう両足ともびっちゃびっちゃにしてくれてしまった。

 

そんなこんなで新たに買ったトレッキングシューズはまたしてもトランゴTRKだった。あれこれ迷ってまた同じモデルにしてしまったのは、ひとえにこの靴が「良い靴」だからだ。ソールが柔らかいので、林道や街中でもストレスがない。軽いのでどこでも履くくことができる。去年のカナダ旅行では街歩きから雪道まで大活躍した。

ところが、今回の北海道紀行では悪天候もあり、なかなか言うことを聞いてくれない。トレッキングで水たまりに足を入れたら右足にズブズブと水が入った。左足は無事だったものの、最後の渡渉では「もういいや」という気分になって左足もドボン。寒くもなかったので別にいいんだけど、最後まで靴中の異臭が気になる旅行となった。

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靴を濡らした渡渉

 

アウトドア・ライターの高橋庄太郎さんが、確かネットのコラムでこのモデルについて防水の懸念をしていたのが今になって身に染みる。まさにおっしゃる通りだった。この子は少し防水が甘いのである。

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最終的に少し異臭を放つことになった現モデル(先代と色が違う)

そんなことを言いつつもこいつはかなり歩きやすいので防水の甘さから失格とするかはまだ決めていない。雨が降らなければ、そして水たまりや渡渉がなければまあいいのだ。それに昔の人は防水性もない地下足袋、かんじきであるいていたのだ。装備にあまえちゃいけない。

そんなことを言いつつも、秋の雨は冷たいので、北海道の後に新たなシューズを物色しつつある今日この頃なのである。