クモノカタチ

山から街から、雲のように思いつくままを綴ります

霧の先の景色~礼文・愛とロマンのコース②

愛はLOVEの訳語である。したがって、明治以前の日本人にはない概念だといえる。このコースの名付け親はどのような考えによって付けたのだろうか。気になるところである。

スコトン岬から岬めぐりというコースがあり、ここは晴れればお花畑になる風光明媚なところだ。舗装されているところも多く、歩きやすい。

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道端の名もなき花

 島の天気は読みにくい。

この日の予報は晴れ時々曇り、降水確率10%が、まったくの曇天、波高しで、海岸線に近づくとひっきりなしに波の音が響いている。

こういう時は道端の花を愛で、霧にかすむ遠望を想像で楽しむしかない。スコトン岬からは「岬めぐり」と呼ばれるなだらかな丘陵コースが伸びていて、道が濡れていることを除けば比較的歩きやすい。

 

「愛とロマン」というのを私は勘違いしていたらしい。

この花で覆われた丘陵に愛を感じるのかと思っていたのだが、このコースは北の浜中という集落から南下するのが本式らしく、「岬めぐり」は含まれていない。久種湖キャンプ場からスコトンまで歩き、さらに岬めぐりを付けているので、その時点で2時間くらいは余計なものが付いている。15:00くらいに香深井のバス停に抜けれたらいいなと考えていたのはかなり甘かった。

それに加えて、この「愛とロマン」の言葉の元はユースホステルに泊まった若者たちがワイワイとこのコースを南下し、苦難の果てに到達した暁には愛が芽生えるかも、ということらしい。

以前、風光明媚な滝のコースを初心者に歩かせて、ひどい目に遭わせた私としてはそんなことで愛が生まれるかははなはだ疑問である。

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丘陵の景色


 

 

それでも前半はまだいい。岬めぐりから一度、西上泊の海岸に下り、再び丘陵に上がると霧に隠れていた緑の丘に晴れ間が差し一瞬姿を見せ始めていた。