クモノカタチ

山から街から、雲のように思いつくままを綴ります

もっと光を!〜ペツル ミクロの光量

山行の前の準備をしていたら、ヘッドライトがポロリと出てきた。

このところあまり使っていなかったブラックダイヤモンドのスポット。単四電池3本で使えるLEDライトだ。

今はメインをモンベルの充電式ヘッドライトに譲っていてしばらく使っていなかった。電池式と充電式の違いだけで、光量は十分。ただ、USBのバッテリーチャージャーを持って行く旅では、別に乾電池の予備を持って行くのがどうも煩わしくて扱いがぞんざいになっていた。

webshop.montbell.jp

私が最初に手にしたヘッドライトはナショナルの「ヒヨコ」と呼ばれた黄色いライト。私が買ったわけではなく父が山で使っていた代物で、もう山をやめていた父はもっぱら家族で花火やお盆の東大寺に行くときに使っていた。

探検用のライトを街中で堂々と頭に着けているのだから、今考えると少々恥ずかしい。ただ、当時はそれを当然と思っていたのだから妙な家族である。

 

私が最初に買ったライトはペツルのミクロ。

15年ほど前だが、もう当時からLEDが全盛期を迎え、フィラメント電球は隅に追いやられていたはずなのに、私はなぜかそれを選んだ。

理由は図書館で借りた九里徳泰さんの著書に「LEDはまだ光量が足りない」と書いてあったからだ。

しかし、よく見ればわかる話だが、その本は出版されてすでに10年以上経っていた。10年以上前の情報を馬鹿正直に信じた私は九里さんと同じミクロを買ったのだった。

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光量は少なかったペツルのミクロ

買って帰った日は真っ暗な部屋でピカピカやっては、「おー!明るい」と悦に入っていたわけで、オロカとしか言いようがない。

真っ暗なら明るいのは当たり前で、狭い部屋なら尚更のことである。

 

ミクロは単三電池を2本使う、豆電球型のヘッドライトライトだ。

スイッチはボタンなどではない。電球のソケット周りを回すことで、回路が繋がり、点灯する。

説明が難しいけど、電球周りの縁を回すだけで、点灯・調光ができ、内部配線もないので壊れにくい。

まま、優秀なヤツなのである。

以前、ホームセンターで買ったのは、突然点かなくなったので、壊れない安心感はいい。それに1人テント泊ではテントも狭いしそんなに光量は必要ないのだ。

 

これが暗いと気づいたのは意外にも夏の富士山。

夏の富士山は行列があの世に向かう亡者のように連なり、三角巾の代わりに頭にはヘッドライトを点けて歩く。この中で、私はわがミクロ君の光が見えないことに気づいた。

周囲が強力なLEDヘッドライトばかりなので、自分が照らした部分がまるで見えない。目の調光が付いていかず、自分のヘッドライトのポイントを見つめても薄暗いばかりなので目が疲れてしまった。

もはやミクロは時代遅れだった(買った段階でかなり時代感があったけど)。これでは早立ちや夜間行動を安心してできない。

新たなヘッドライト探しが始まった。

(つづく)