クモノカタチ

山から街から、雲のように思いつくままを綴ります

梅酒を漬けるということ

 梅雨に入ろうとしている。

今年は雨が続くのに関東はなかなか梅雨入り宣言が出ない。「梅雨」とはよく言ったもので、店頭に青梅が並び始めたので梅酒を今年も漬けることにした。

f:id:yachanman:20210606170257j:plain

 

豆腐を作った時と比べれば手順はなんていうことはない。

梅を買ってきて洗う。水気を切ってヘタを取る。瓶に青梅と氷砂糖を交互に入れ、蒸留酒を注ぐ。以上。

今回は対して工夫もないが、散歩に行った時に道で青梅を見つけた。

「このまま放置すれば道が汚れるではないか。実にけしからん」

と呟きながら、相方と遺失物として拾得した。

 

f:id:yachanman:20210606170042j:plain

 

買った梅は小さく、拾った梅はかなり大きい。

梅酒に漬けた梅を我が家は最後食べることとなっているので、大きい方がいい。拾い梅もありがたく投入する。そして最後にウイスキーを注いだ。ホワイトリカーよりこちらの方が味が深くて好きだ。去年は少々甘かったので、砂糖はやや控えめにする。

 

以前、「クレイジージャーニー」というテレビ番組で、ウイスキーにのめり込んだ男性が出てきた。曰く「ウイスキーは時を飲む飲み物です」。

なるほど紹介されたウイスキーの作り方は手間のかかるもので、わざわざそのまま飲める酒を蒸留して、樽に詰める。蒸留にもこの木がいいとかあって、飽くなき探求心というか、しつこいというか。こうやって取り憑かれたように暇をつぶすのが人生というものだろうと思ったりする。

「時を飲む」というのはどこか詩的のようだが、「がばいばあちゃん」に言わせれば暇つぶしだろう。しかし、この暇つぶしが見つかるかどうかが人生の充実度に比例しているような気もする。

f:id:yachanman:20210606181353j:plain

 

そんなわけで今年も梅酒を漬けた。残った梅は梅ジュースにでもしようか。

梅酒ができるのは半年後くらいだろう。

梅酒もまた時を飲むものである。