アスリートの平均引退年齢はどのくらいだろう。プロ野球だと20代後半、フィギュアスケートなんかは十代らしい。
昔、ヤクルトファンが時の野村克也監督に「ジジイばっか使ってんじゃねえよ!」などとヤジっていたが、ジジイと言っても30歳くらい。
世間ではまだ若いし、むしろ今は自分がジジイなのである。
しかし、ずっと身体を動かしていると老朽化とか故障は起きるもの。松井秀喜はキャリアの終盤、膝の痛みに苦しんだし、鉄人と呼ばれた金本知憲は肩を痛めて返球すらできず、非常に痛々しかった。
そんな日がいつかは来るのだ。
3年ほど前、突然左膝が痛くなった。10kmほど走ると痛みが走る。歩けないほどではないが、なかなか消えない。
7月頃発症したものの、激痛というまでいかないので放っておいた。
8月は1泊2日で奥穂高岳。9月も1泊2日で塩見岳から北岳の縦走。10月はカナダでサイクリングとトレッキング。
そんなこんなで酷使を続けていると痛みはどんどん増し、12月のマラソンを控えての練習ができなくなってしまった。
結局、藁にも縋る思いで整体に行ったら、「左右のバランスが崩れている」とのこと。脚の長さが左右で違うのだという。
しばらくマッサージを受けて写真を撮られ、「ほら良くなった」と見せられたものの、正直よくわからない。
過去、病院にも通ったことがあるが、膝痛の原因は医師にもわかりにくいらしい。半月板が割れていたりすればともかく(骨はレントゲンに映る)、膝は3本の靭帯と軟骨、半月板などが組み合わさって機能しているので、どこが痛いかは開けてみなければわからない。
本当は休めて様子を見るところだが、マラソン大会を控えていた私は12月、足を引きずりつつ強行出場してしまった。
大会ではスタートするや膝が痛い。1kmでリタイアかと思う。
それでも周囲の勢いに合わせてガンガン走っていたらいつの間にか痛みは気にならなくなっていた。
過去の登山やマラソンでも似たようなことがあった。始まるや危険サインのように身体の一部が痛くなるものの、しばらくすれば身体が諦めるのか、痛みは去る。
この時は今まで3ヶ月以上にわたっての痛みが嘘のように去り、ハーフ地点までは過去最高速で駆け抜けた。
最終的には練習不足が祟って35kmから歩くことになるのだが、膝の疼痛はマラソン終了後もなくなっていた。
あれは未だに謎となっている。