クモノカタチ

山から街から、雲のように思いつくままを綴ります

考えない人、考え過ぎる人

休日に相方の友人が来た。

世界を渡り歩いた人で、今は海外留学をする人のサポート業務、保険の仕事をしている。相手は20代から30代前半までが多く、大学生が大半を占めるわけだが、「考えない人」が多いのがストレスだという。

よくある質問に、親族が危篤等の時の一時帰国補償というオプションを付けるべきかというものがある。これは留学中に2親等以内の親族に万が一が起きた際、帰国旅費を補償するというもの。自分の祖父母(あるいは父母)が健在なら不要というオプションである。

ところが時折、妙な質問をするのもいるらしい。「どうしたらいいでしょう?」という思考停止の者、「ペットは入りますか?」というあさっての質問をする者。

「2親等と書いてあるじゃろ!ペットはお前にとって家族かもしれんが、モノなんじゃ!」

と彼女は心の中でツッコむんだと。

一時期、論理的思考、地頭力とか流行った。流行ったのはいいのだけど、本当に考えるとはどういうことかを考えさせられてしまう。

ペットはモノであるというのは法的には当たり前の話である。

しかし、そんな知識がなくても保険の対象となるかどうかなんてわかる。質問をした彼・彼女の頭にはペットとは自分の家の犬か猫しかないのだ。ヘビやモモンガを飼っている人もいる(私の身近にいる)。あるいはオタマジャクシか金魚を飼っている人もいる。ありとあらゆる動物を対象にして一時帰国を認めるわけにいかないのである。

その話を語る彼女は頭の切れる合理主義者だ。サクッと仕事を終わらせて自分の勉強をしたい。手間を取らせるなといら立つことが多いのだそうだ。

 

そんな妙な質問をする者でも海外留学という思い切った行動のために今動いている。「コロナが、紛争が」と考えすぎて動かないより、考えないで行動しながら身につけていくものかもしれない。