クモノカタチ

山から街から、雲のように思いつくままを綴ります

安全登山の矛盾

週末にTakemiさんのYouTubeを見ていて納得したこと。

時々おふざけ企画もやる番組だが、今回は山岳遭難について考えるということでゲストも2人招いて真面目に対談していた。

その中で長野県の遭難対策について、ゲストの山岳医の方が言ったのが「安全な計画というのは言葉では簡単だけど、100%安全な登山というのはない」ということ。

そりゃそうだ。山で遭難しないためには山に行かなければいい。

それと登山には危険だから価値があるという難しい問題があるのだ。

登山をやっていると憧れる山が出てくる。それは今は実力として行けないけど、経験を積んで行きたい山で、簡単に言ってしまえば危険な山だ。登山は危ない体験に憧れているというのが本質であると言ってもよい。

つまり、危ないから登りたい。危ないから神々しいのであって、「安全登山」は形容矛盾とも言える。

 

まあ、遭難したら大いに迷惑をかけるのは事実。それでも行きたいというのが登山の魅力でもあるからややこしい。

山野井泰史さんが「不死身なら登らない。どうしてもかなわないから登るんだ」と著書に書いていた。そう、絶対に山に敵わないから登山者は山に向かっている。