クモノカタチ

山から街から、雲のように思いつくままを綴ります

山小屋犬ベリーの話~ころぼっくるヒュッテ滞在記③

ころぼっくるヒュッテは小屋を作った先代の息子さんとTさん夫婦、そしてベリーという看板犬、それとアルバイトの方々が切り盛りしている。夏は避暑地として有名なので、冬が最も空いているらしく、宿泊はわれわれだけだった。

Tさん夫婦はもともと都会でバリバリ仕事をしていたらしく、そこから山小屋を手伝うようになるとは本人たちも想像できなかっただろう。

一方で、山小屋犬となったベリーもなかなか数奇な運命を辿ってここにいるので、今日はそのお話。

山小屋犬ベリーはもともとヤクザの親分の飼い犬だったらしい。

ある日、親分は虫の居所が悪かったのか、事情はよくわからないけど、「その犬、保健所に連れていて!」と若いのに命じた。若者は素直に犬を連れて出たものの、保健所に連れていく勇気はなくやむを得ずトリミングをする店の戸をたたいた。

しかし、トリミングの店は犬を飼っている人が来るところであって、犬を欲しがる人が来るわけではない。店のほうでも困ってしまう。するとその若者は犬を置いて帰ってしまった。

その店に勤めていたのが、Tさんの妹で、その話を聞いたTさんは自分が飼いたいと思ったそうなのだが、家で大型犬を飼える状況ではなかった。そこで、働くことを決めていたころぼっくるヒュッテなら飼えるかもしれないということで、山小屋のオーナーに話を持って行ったらしい。

まあ、そんなこんなで人間の勝手に翻弄されて連れてこられたベリーなのだが、ボーダーコリーの品のいい犬なので、山小屋の看板犬として有名となっている。

もう年で足を引きずっていて、3年前より少し痩せたようだ。

ただ、われわれが帰ると時にはそとまで足を引きずりながら見送ってくれた。

次行った時もまた会えると嬉しいな。

 

(つづく)