クモノカタチ

山から街から、雲のように思いつくままを綴ります

登山

石川直樹さんの話

石川直樹さんの講演会に行ってきた。 わりと訥々とした話し方で、スピーチが上手とは感じなかった。ただ、その話し方に慣れてくると、面白い世界観を持つ人だと感じるようになってきた。 以下、興味を持った話と感想を書いてみた。 1.『青春を山に賭けて』…

カナディアンロッキー紀行⑦―バンフの愉しみ

バンフはカルガリーからバスで2時間半ほどの山に囲まれた街である。夏には登山、冬はスキーで賑わうリゾート地で、日本で言えば軽井沢をイメージするとわかりやすい。ただ、周囲は屹立した岩壁をいただく険しい山容なので、軽井沢と上高地を足し合わせた街…

カナディアンロッキー紀行⑤ーキャンモアの意外

カナダ行きを決めた時は当初、ユーコン川で川下りをしてみたかった。野田知佑『北極海へ』、『ユーコン漂流』や石田ゆうすけ『行かずに死ねるか!』でなんとも日本のセコセコした時間感覚からかけ離れたイメージがあり、ぜひともカヌーでの川下りをしてみた…

忘れ物の源泉

小学生の頃だっただろうか。母親がこんな逸話を話してくれた。 30代である男性が若年性認知症と診断された。最初はちょっと物忘れが激しいというくらいの自覚症状だったが、たちまち症状はひどくなり、少し前の出来事もたちどころに忘れるようになった。もは…

山を歩く人ー塩見岳~北岳山行(続)

人が山に登れば「仙」となり、谷に下りれば「俗」となる。ただ、今回の縦走は日本第2と第3の高峰である北岳と間ノ岳に入ると一気に俗気が増してしまう。 2999mの三峰岳から間ノ岳の頂上へ向かうと今までが何だったかという喧騒が押し寄せてきた。北岳から…

山を歩く人ー塩見岳~北岳山行(day2/2)

熊ノ平小屋は稜線にありながら水の豊富なところだ。 「南アルプスの天然水」は甲斐駒ヶ岳近辺であり、山梨側の麓である北杜市にサントリーの工場がある。CMで宇多田ヒカルが登ったのも南アルプス北部の栗沢山という山で、最後のシーンは甲斐駒ヶ岳で締めく…

山を歩く人ー塩見岳~北岳山行(day1/2)

久しぶりに南アルプスを歩いてきた。鳥倉林道から三伏峠を経て塩見岳。さらに北へ向かい、間ノ岳、北岳を経て下山した。 このルートは10年くらい前に買った山岳雑誌に載っている。掲載記事は北岳から南下して塩見岳へ至るもので、アウトドア・ライターの高橋…

命を懸けること

台風通過前の土曜日、山へ走りに行った。 奥多摩駅から愛宕山を経由して鋸尾根を登る。鋸尾根にはちょっとした岩場があるものの難しいところはない。鋸山から大岳山、御岳山を経て日の出山に登り、金毘羅尾根から武蔵五日市駅に下りた。トータル5時間半。 …

内食の人

会社の費用でセミナーへ行ったら、昼食代に金券1000円分渡された。ただ、ここ最近は1人で店屋に入る習慣が全くと言っていいほどなくなっていて、結局会場の休憩室で持参のおにぎりを食べた。 外食は苦手だ。「苦手も得意もあるものか」と言う人もいるだろう…

人生のPEAK

12月フルマラソンに出場する。ただ単に申し込んでお金も払ってしまったのだから仕方がない。そういうわけなので、そろそろ本格的に準備にかからなければならない。 「フルマラソンを走ります」 と走ったことのない人に言うと、「おー!」と少しはリアクショ…

誤算の山ー笛吹川東沢遡行

いよいよ今年も暑くなったので沢登りに行ってきた。熱心な沢ヤは5月くらいの雪渓が残る時期から活動を開始するらしいが、私は水遊びに出かけているのに過ぎないので、沢に入るのはもっぱら8月だけだ。いわば大人のプール。いい大人は着衣のままで水と戯れ…

登山と生産性

参議院選挙があった。政策、争点不在と言われる昨今の選挙の中でも特にわからない選挙だった。一方で消費税増税を、他方では年金を、かと思えば憲法改正手続きへの議席を確保できるかに注目していてたりで、結局各政党が何を争っているのだろう。和食と中華…

秩父主稜縦走物語-続

鴨沢の雲取山登山口に着いたのは7時過ぎ。気品がないとか言ってごめんなさい、オジサンのおかげで早く着きました。 とにかく「登山」というタグを付けておきながらまだ登山は始まってない。 奥多摩湖から林道を少し歩いて登山道に入る。一旦登山道からまた林…

秩父主稜縦走物語

久しぶりに雲取山から甲武信ヶ岳方面に縦走してきた。 週末の天気予報を見ると晴れが連続していて、おまけにくそ暑いときていた。暑いのは嫌いなので、山へ避難することにしたわけだ。唐突な思い付きなので、高い山は止して低山で、それなりに涼しそうという…

便秘のなり方

せっかくの連休だからということで、上高地から蝶ヶ岳、常念岳、燕岳まで縦走してみた。天候には恵まれて、撤退する理由が見つからないのは良かったが、久しぶりのテント泊装備で体力低下が顕著に現れ、3日ともヨレヨレのヘロヘロになった。縦走の話も書き…

最近、運動不足なので自宅から新宿まで走ってみた。事前にGoogleマップで確認すると23kmあるらしい。 中央線沿いに走ると三鷹とか吉祥寺とか聞いた名前はあるものの、駅前に近づかなかったので、町としての印象は特にない。というか日本の町には本当の意味で…

敗退の山

気が付いたらもう2ヶ月も山に行っていない。 「まだ登山やってるの?」と訊かれると「やってますよぉ」と応えるものの、現在は開店休業中といった具合だ。そろそろ行かないと登れなくなりそうで怖いのでとりあえず通勤時に駅まで駆け足をして運動不足を補っ…

お天気下駄

冬になると週末の天気予報を見る回数が増える。今週末は登山ができるだろうかと、特に計画していなくても見てしまうのだ。 なぜ冬かと言えば、冬は晴れ雨雪といった予報だけでなく風予報が重要で、風が強いとなればスッパリ諦めないと命にかかわる。「さて、…

冬の甲斐駒ヶ岳

今年も成人の日の3連休に冬の甲斐駒ヶ岳に行ってきた。韮崎駅から路線バスで道の駅はくしゅうで下車。そこから1時間歩いて竹宇駒ヶ岳神社から入山。黒戸尾根から頂上を目指す。 黒戸尾根は累計6回目、冬だけで5回目だ。最もシツコク登っているルートであ…

山での死について考える

『岳人』の12月号の特集は「山の事故から身を守る」だった。印象に残ったのは古澤早耶さんの記事で、実父が遭難死したことについて書かれていた。 私は幸いなことに本格的に遭難したことはないし友人・知人を山で失ったことはない。それでも雪山で滑落してク…

山の奇人変人

晴れた休日に山下公園に出かけると気候が良いせいかたくさんので溢れていた。そしてたくさんの「変な人」がいた。 銀杏をバックに写真を撮影している男女、女性は若いが男性はその父親くらいの年齢、がいた。雑誌か広告の撮影かと思ったが、カメラはプロ仕様…

駅弁賛歌

自動車を使わない登山になると自然と鉄道の旅となる。翌日が仕事となると特急で早々と帰宅したいが、余裕があれば鉄道の旅を楽しむのも一興だ。1人でぼんやり外の山々を眺めながら車内の人間観察をするのも悪くはない。 鉄道旅の多少の問題は食事である。登…

葷酒山門に入る

11月の初め黒部川・下の廊下を行くため、久しぶりにテント泊で山に入った。もう山中は寒くなってきて、後立山の峰々には雪が積もっていたが、山馬鹿はたくさんいて阿曽原のテント場は大盛況だった。 私が着いてから1時間くらいしてテント場に男女3人組のグ…

ジムクライマー

今年は天候が不安定でなかなか山に行けない。雨の山行を楽しめるほどの登山者ではないので、週末はクライミングジムでお茶を濁している。 いつも利用するジムはどこの駅からも中途半端な位置にある。いつも最寄り駅から歩くが、丘を越えて40分かかり、通常な…

山道具考

「やれザックはミレーだ、ピッケルはシャルレだと道具だけにこだわるだけでなく、まずは身体と登山の技術を鍛錬することが肝要である」 おおよそこのようなことが実家の本棚に並ぶ40年ほど前の山岳雑誌に書かれていた。当時のヨーロッパ製の山道具は高嶺の花…

山靴讃歌

9月のシルバーウィーク、4年ぶりに雲ノ平へ行った。荒天予報の中、1日目、2日目は奇跡的に晴れたが、3日目はついに雨に捕まり、靴をずぶ濡れにされた。8月、白馬へ行った際も雨にやられて、足元をぐしょぐしょにされ、山靴の防水性を疑ってはいたが、…

運のつき

9月某日、前々から気になっていた大月市の岩殿山に登った。 中央線に乗るたびに大月駅から見える屹立した岩山が気になっていた。ネットによると岩殿山にはかつて岩殿山城という城があり、小山田氏という豪族の居城であったという。新田次郎『武田信玄』を読…

社内報写真家

社内報の表紙に時々写真を提供している。これはひとえに私の写真家としての腕を買われて名誉特派員の栄誉に浴している、というわけではなく、広報担当が適当な写真を持ち合わせていない時に無料の写真提供人として利用されているだけに過ぎない。 昨今は簡単…

幽霊

登山も長く続けると知らぬうちについていく癖がある。私の場合、歩き方が大きく変わった。足の裏を地面に擦ることがなく、足先の向きは真っ直ぐ前を向く。足を擦らないのは石ころを蹴ったりしないためで、足先が前を向くのはその方が効率が良いからだ。何も…

今更のランナー

去年の6月に「いわて銀河チャレンジマラソン」の100kmの部に出た。今更の話ながら、出場するまでについて書きたい。なぜ今更かという理由は読めば出てくるかもしれないし、出てこないかもしれない。 なぜ100kmマラソンにエントリーしたかと言えば、ノリとし…