クモノカタチ

山から街から、雲のように思いつくままを綴ります

未読本

気が付くと本が増えている。そろそろ引越しも考えているので、蔵書整理の時かもしれない。そのうち電子書籍の導入も検討すべきかとも思う。 本も無闇に買ったりしない。基本的に「嵩張らない」「再読する」ものを選んでいるはずだが、なぜか未読のまま手元に…

雪中手袋考

「今年も冬が来た!雪が降るぞぉ!アイゼンだ!ピッケルだ!」 書いてはみたが最近冬の盛り上がりがなくなってきた。冬は寒くて休日に早起きして一駅歩いて始発に乗って山に行くのはどうも億劫だ。行くとそれなりに楽しいが、夏に比べると圧倒的に体力的・心…

家を建てる

帰り道に前を通る不動産屋の表に建売住宅の宣伝が目立つようになった。来年の消費税増税前の駆け込みを狙っているのだろう。元値が云千万だから2%の違いでも何十万かになる。 宣伝文句は「駅から徒歩〇分」とか「3階建て」とかいろいろあるが、金額はどれ…

科挙的社会

宮崎市定『科挙』を何気なく手に取った。パラパラ読みなので読解しているか自信はないのだが、学術的歴史が久しぶりに面白かった。 科挙は言わずと知れた中国の官員登用試験である。歴史は隋の文帝から始まり、清代末期まで続く。今まで知らなかったが、この…

受信料制度について

たまには社会的な話題でも書こうと思う。 何年かに1度、ポストにNHK様から豪壮な封筒が届く。受信料の支払いに関する案内である。「受信料の支払いは義務です」と脅し文句のように書いてある。 いくら脅されても今の私の家にはテレビはないし、スマホもパソ…

あたる前

世の中、抗菌・除菌だらけ。 冬になってトイレにクレベリンが置かれるようになったがどのくらい効果があるのだろうか。電車のつり革にも抗菌と書かれていたりするが、永久に菌に耐えられるのか?魔除けの札みたいなもののような気がする。あれは「つり革に付…

たこ足シューズ

いつも玄関に3足のランニングシューズが転がっている。足は2本しかないのだから6つも転がるシューズは過剰だし出入りには邪魔である。なぜそんなに必要なのだと言われればそれぞれ用途が違うのだが、使い分けるほどのランナーかと聞かれれば反論できない…

年俸・年収

床屋に行くと、理容師の2人が仕事の合間に(カットの途中だが)雑談していた。 「丸は自分の評価を知りたいって言ってたが、やっぱり年俸の高いところに行ったな」 「30億とか言ってるが本当は50億くらいかかってるんじゃないか?」 「これで活躍しなかった…

旅の本

山から下山して電車に乗り込むと、まず手元にWALKMANと文庫本、飲み物を用意する。飲み物はその時々、水だったりお茶だったりアルコールだったりする。電車が発車すると、飲み物を一口、そして文庫本を開く。 山に行って「山の本」を読むことは少ない。目の…

ようつう部

土曜の朝9:00から11:00にFMヨコハマで"Futureescape"という番組がやっている。番組名はカッコイイのだが、内容は緩いトーク番組で、小山薫堂さんがいい味を出している。いい味を出しているのに時々番組をサボってもう1人のパーソナリティー柳井麻希さんとゲ…

おうちのごはん

久しぶりに妹のところへ行っていろいろ話した。 彼女の夫くんは化学者である。化学者というのは「いい加減」なことをできないらしい。「いい加減」にもいろいろあって、数学者なら論理的矛盾を嫌うとか、経理人間は数字が合わないと嫌とかあるが、化学者は分…

東京人と大阪人

用事があって大阪へ行った。少し時間があったので大阪駅から歩いてみた。 早朝なので人も車もまだ多くない。そして気になるのが、信号無視が多いこと。もちろん大抵は歩行者だが、1度赤信号を渡る人と車がわりと近い距離ですれ違っていて、顔を見上げると、…

遊びをせんとや

「アメリカ人ってのは、遊びの天才じゃぁなぁ」 広島にいた時、取引先の社長がそんなことを言っていた。彼は従業員10人くらいの会社の社長だ。奥さんが「肝っ玉かあちゃん」という感じの人で役職は専務。業務の大半はこの専務が行っている。社長はというと商…

山での死について考える

『岳人』の12月号の特集は「山の事故から身を守る」だった。印象に残ったのは古澤早耶さんの記事で、実父が遭難死したことについて書かれていた。 私は幸いなことに本格的に遭難したことはないし友人・知人を山で失ったことはない。それでも雪山で滑落してク…

山の奇人変人

晴れた休日に山下公園に出かけると気候が良いせいかたくさんので溢れていた。そしてたくさんの「変な人」がいた。 銀杏をバックに写真を撮影している男女、女性は若いが男性はその父親くらいの年齢、がいた。雑誌か広告の撮影かと思ったが、カメラはプロ仕様…

駅弁賛歌

自動車を使わない登山になると自然と鉄道の旅となる。翌日が仕事となると特急で早々と帰宅したいが、余裕があれば鉄道の旅を楽しむのも一興だ。1人でぼんやり外の山々を眺めながら車内の人間観察をするのも悪くはない。 鉄道旅の多少の問題は食事である。登…

葷酒山門に入る

11月の初め黒部川・下の廊下を行くため、久しぶりにテント泊で山に入った。もう山中は寒くなってきて、後立山の峰々には雪が積もっていたが、山馬鹿はたくさんいて阿曽原のテント場は大盛況だった。 私が着いてから1時間くらいしてテント場に男女3人組のグ…

イジワル質問

先日、社内研修で夜の座談会があった。テーマは「10年後の会社の未来」。同じ社内とはいえいくつかのセクション、職種の違うメンバーで、それぞれの事業の将来について話し合ったのだが、かなり噛み合わない議論になってしまった。まあ当日に突然のネタ振り…

ジャンクフード

アメリカ・西部。赤茶けた乾いた大地に伸びる道を一台の乗用車が走っていた。あたりはモニュメントバレーに代表される景勝地であり、西部劇の舞台となるような砂漠である。乗用車はセダンタイプのレンタカーで、運転席には父親、助手席には母親、後部座席に…

来週休みます

映画「釣りバカ日誌」で浜ちゃん役・西田敏行の台詞。 「俺はなぁ!実の兄貴を殺してまで来たんだぞ!」 忌引きを理由に釣りの誘いに駆けつけたわけだ。今有給休暇5日以上の取得を義務付けるという法案が提出されているが、休むを悪徳とみなすのが日本企業…

お葬式の思い出

結婚式について少し茶化した記事を書いたが、冠婚葬祭のしきたりはどれも不思議だったり滑稽だったりする。しかし、結婚式というおめでたいものを茶化すのは簡単だが、お葬式を玩具にするのには勇気がいる。何しろ人が死んでいるのだ。 ただ、少し思い出深か…

投稿マニア

高校時代に深夜ラジオを聴いていると、投稿の面白い番組が多かった。投稿は所謂「ハガキ職人」から送られてくるもので、あれだけの労作を毎週作り続ける情熱には大いに感心した。いくらウケても、もらえるのはステッカーくらいだから、毎週毎週いろいろな番…

ジムクライマー

今年は天候が不安定でなかなか山に行けない。雨の山行を楽しめるほどの登山者ではないので、週末はクライミングジムでお茶を濁している。 いつも利用するジムはどこの駅からも中途半端な位置にある。いつも最寄り駅から歩くが、丘を越えて40分かかり、通常な…

冷や水

男性が自分の年齢を初めて意識するのはアスリートたちが年下になった時らしい。ずいぶん前のアンケート結果だが、なるほど自分にも思い当たる。会社組織などでは新卒採用が少ない時期があったりで三十代でも若手と言われたりするが、アスリートならどの競技…

コンプライアンスの哲学

2泊3日で社内研修に行ってきた。 事前課題がいくつかあり、小論文とプレゼン資料を作成したのだが、こんな時のテーマは実用性のない抽象的なものと相場は決まっている。小論文のお題は「コンプライアンスの実践」だった。 企業はコンプライアンスとやたら…

無知と知

時事ネタがわからないと書いたが、人生の中で時々自分の無知を実感することがある。これは誰しもだろうが、誰もが知っている中での自分の無知は時にある種の劣等感になったりもする。 私が最初にこの劣等感に出会ったのは幼少時代のアメリカ滞在時やそこから…

人工知能は山に登らない

私は現在テレビもなく、新聞も購読していない。 先日、寄席で漫才を聞いたら時事ネタがよくわからなかった。さっぱりと言わずとも薄ぼんやりと霧がかかったような状態で、今一つ笑えない。例えば、加計学園とか森友学園とか名前は知っているが、詳しい経緯と…

引退

「早よ引退して仕事やめたいわ」 ファミレスで、ある友人がコーヒーを手にしながら呟いた。彼女の目下の趣味はマラソン。大会に備えて平日は会社から自宅まで走ると言うから恐れ入る。学生時代はソフトボールのピッチャーをやっていたというガッチリ体形で、…

生きる痛み

ある陽光の差す5月の日曜日、私は都心に向かう電車に乗り込んだ。春の日差しがガラスを通して車内の空気を暖め、私は思わず座席でうとうとし始めた。気が付くと列車は終点の新宿に近づいており、閑散としていた車内は人で溢れていた。みんな急に暖かくなっ…

羽化登仙

今年は台風の当たり年となっている。まるで技巧派ピッチャーの投球のように日本列島の周りを西へ東へかすめる。 小学校の時に「日本列島は夏の間、太平洋高気圧によって好天が多いが、高気圧の勢力が弱まる9・10月ごろになると台風が列島を通過するようにな…