クモノカタチ

山から街から、雲のように思いつくままを綴ります

奥穂高岳でドランゴ タワー GTXの試しばきをする

連休に急遽、奥穂高岳に登ってきた。この週は天気予報がコロコロ変わってどうしようかという感じだったが、後半の2日に賭けてみた。

ちょっと無理をして奥穂高岳に行ったのは先日買ったLA SPORTIVA ドランゴ タワーの試しばきのためもあった。試しばきに選ぶには穂高様に大変失礼なのだが、まあとにかく暑いので高所に行きたかったのだ。

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おニューのトランゴ タワー GTX

兎にも角にも感想。

足元を包み込む感じはさすが。前にAKUの靴を使ったときに、踵が擦れて血が滲むくらいの靴擦れになったことがある。今回もそれを懸念したものの、足の甲からふわりと持ち上がる感じで踵がズレることはなかった。

LA SPORTIVAはこの包み込む感じが秀逸だ。結局買わなかったけど、厳冬期用のネパール エボも柔らかく包み込む感じがある。スカルパはガッチリホールドする感じ。このあたりが値段の差に出るのか。

感覚としては極端な軽さは感じないが、足回りの動きは軽やかにできる。岩場の乗越しもなかなか。細かいホールドにも乗りやすかった。

 

奥穂高岳は涸沢近辺、奥穂高岳の周囲、前穂高から伸びる吊り尾根など、岩場がかなり多いのだが、尖った岩に対してはビブラムのソールがフィットする。

一方で上高地から横尾までの平坦道はややロボット歩きを強制されるので、歩きにくい。ハイカットシューズの宿命ではあるのだが、1日中履くと疲れる。

ただ、靴そのものは足首に可動性を持たせているので、歩き心地は予想以上に良かった。私の場合、足首の内側の骨が出ているので、そこだけは当たって痛い。次の縦走までにそれだけはなんとかせねば。

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今回の荷物

ちなみに今回背負った荷物は45Lのアセンジョニスト。
中身はテント3人用、テントマット、3シーズン用寝袋、水2Lちょっと、食料など。夏山の標準装備を詰め込んで10kgちょっとというところ。

感覚的にはトランゴシリーズの上位、トランゴ アルプは20kgくらい、トランゴ タワー10kg~20kg、10kg未満はトランゴ エボくらいでいいんじゃないかと。まあ何の根拠もないんだけど、剛性と荷物の重量を考えるとそんなもんかな。

 

さて、今回は自分が久しぶりに高い買い物をしただけに他人の持ち物が気になる。

上高地〜横尾〜涸沢〜奥穂高岳〜岳沢〜上高地間で最も多く見かけた靴はモンベル。その次がLA SPORTIVAだった。モンベルコスパSPORTIVA は機能(あるいは見栄?)重視だろうか。

 LA SPORTIVAの内訳は、トランゴ タワー GTXは8人、トランゴ エボ3人、トランゴ アルプ5人といったところ。あとアプローチシューズであるボルダーXなどのソールの柔らかいうつも結構見かけた。やはりLA SPORTIVA強し。

 最新モデルのエクイリビウム ST GTXも2人いた。軽そうでよかったが、石井スポーツの店員さんの言うようにトランゴ エボとアッパーは同じような素材。ソールは少し沿っていて、平地では歩きやすいように工夫されている。ちょっと興味は沸いたが、タワーを買った以上は当分おあずけになってしまった。

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今回の山行ではまずまずの具合。

まだ靴が固くて下山して向う脛あたりが痛くなったが、徐々に履き慣れていくことを期待したい。

夏の奥穂高岳登山②~穂高岳山荘から奥穂高岳へ

穂高岳山荘は奥穂高岳涸沢岳の間の少し落ち込んだ部分にある。標高は3000m弱ということで日本で1番ではないが、最も高いところに位置する山小屋の一つである。

高い分、天候の変化も受けやすく、雨も風も受けやすい。ただ、この日到着した時点では雲は増えたものの、晴れ。風もなくみんなのんびりビールを飲んだり日向ぼっこをしたりしていた。

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この瞬間が山で一番好きだったりする。

頂上を極めるというよりボンヤリする時間。ビールを飲むか、つまみを食うか、本を読むか、景色を眺めるしかない時間。ただ、夕暮れを待つ時間。

やがて雲が湧き、景色が見えなくなった。仕方ないのでテントに引っ込んで本を読んでいるとウトウト寝てしまった。

しばらくするとパタパタとテントを叩く音がする。雨のようだ。慌てて外に出していた靴を前室にしまい、またウトウトする。

雨が止むと青空と雲が交互に押し寄せ、滝谷方面の景色を時々写真に収める。前穂高常念岳方面は曇ったままだ。

日暮れ時にはブロッケンが出た。光と影の狂騒を眺め、明日の朝に期待して7時には眠りに就いた。

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滝谷の岩壁





翌朝は霧。雨こそ降りそうにないが、白い闇が包み込んでいる。

アルファ米のカレーピラフと五目御飯を1.5人前ずつ腹に納め、穂高岳山荘の上にある梯子を登り始める。

頂上までは山荘から1時間ほど。数人の人が晴れるのを待っていた。

時折、雲が抜ける。青空が出る。そのたびに絶景を期待するが、すぐに雲が覆い、再び白い世界に戻る。雲と空の駆け引きが続いた。

そうこうしているうちに昨日に続いてのブロッケン。今回はブロッケンが出たことでヨシとしよう。

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ブロッケン現象

下山は岳沢に向かった。

吊り尾根はスラブ状の岩ルートが多く、雨の時は怖いことが多いが、幸いこの日はあまり濡れていなかった。それでもザイテングラートに比べると狭い箇所や滑りやすい箇所が多くていやらしい。

相方が昨日からの強行日程でバテ始めた。段差が膝に応えるようだ。

景色は見えないものの、下るにつれて暑くなり、樹林帯に入ると大量の蠅にたかられる。

しんどい、疲れる、暑い。終盤はなんで来たのかと思うくらい愚痴が多くなるが、降りる頃には結局また来ようと思うようになっていた。

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吊り尾根の岩ルート

夏の奥穂高岳登山①~ザイテングラートから穂高岳山荘へ

四連休の後半にふと奥穂高岳に行ってきた。初日を出勤したので四連休ではなく実際は三連休だったのだが、それはさておき後半の天気が良さそうだったので、金曜の夜新宿発、上高地行きを予約した。

上高地は5:20着。バスターミナル前でおにぎりをモリモリ食べて梓川を遡る。明神、徳沢、横尾とほぼ平坦で通い慣れた道。何度も通ったはず何に「こんなに長かったっけ?」と毎回感じる。

今回は朝の木漏れ日が美しい。

 

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横尾からいよいよ山道へ入る。

屏風岩を眺め、汗をかきかき坂を上る。とにかく暑い。こんなに天気がいいとは。今日登った人はさぞかしいい気分だっただろう。

こういう時に妙に悔しい気分になるのが性格のわるいところ。休日出勤の日に天気がいいと悔しいし、天気が悪いとほっとする。自分が絶景を享受できないと思うと仕事が手につかないのだ。

若い女の子とすれ違うことが多いように感じる。キッズも結構いた。連休の穂高はキラキラ系かもしれない。

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涸沢には12時前に着いた。

ここでテント泊とも思ったが早すぎる。おまけに相方の脚を考えると明日の行程を減らすためにも穂高岳山荘まで上がった方がいいと判断。涸沢のガレ場を抜けて雪渓を横断し、ザイテングラートを登る。

途中、高山植物がきれい。時折花を眺め遠く常念岳を見、前穂高岳を見て再び歩き出す。

同じく穂高岳山荘を目指すお兄さんとの会話。昨日は豪雨だったらしい。一昨日も雨雲レーダーを見ていたら豪雨だったので、ここのところ夕方はかなり天候が不安定になるらしい。そういえばこの日も朝は雲一つない天気からもくもくと雲が湧いてきた。

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ザイテングラートは支稜や支尾根という意味らしい。ドイツ語なので"らしい"としか言えないこの岩場は今、日本で最も遭難事故が多い場所となっている。

過去、私はザイテングラートを3回通過している。1度目は10年ほど前、岳沢から奥穂高岳に立ち、下降に使った。2度目は6年前の残雪期に涸沢から奥穂高岳にピストンしたが、この時は岩場を通過していない。3度目は2年前の夏で、涸沢から夜明け前に登った。いずれもあまり覚えていないし、危険だった記憶がない。

しかし、危ない感じがしないあたりが余計に危険なのだろう。この岩尾根は落ちたら危ない箇所はいくつかあるものの、ステップはどれも大きく、難しいところはない。落ちたら死ぬという事実は同じでも、足場がはっきりしているだけで「危ない場所ではない。怖くはない」と誤認してしまう。そのことで生じる油断が滑落事故の原因ではないだろうか。

 

穂高岳山荘の手前で小屋のスタッフが雪かきをしていた。階段状になるよう丁寧にステップを切っている。

「お疲れさん!」と声を掛けられた。

この言葉はなぜか仕事の時よりうれしく感じる。

今日がもしも最後の日なら

先々週は鎌倉に住む友人を訪ね、先週は相方の友人Cちゃんが遊びに来た。遊びと言ってもおしゃべりがメイン。それだけでも会社なんかの飲み会よりよほど面白い。

相方の友人Cちゃんはわれわれより少し年上。なのでわりと「いい年」なのだが、今はシェアハウスに住みながら映像翻訳の勉強をしているという。

心はいつまでも20歳くらいのさっぱりとした性格のいいお姉さんだ。

 

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Cちゃんの現在の本職は日本人の留学サポート。特に今は保険の取扱いをしている。保険にはいくつかのオプションがあって、親や親族が危篤の時には帰国旅費が支給されるものがあり、わりと迷う人が多いらしい。オプションを付けるかどうかや保険のプラン、海外の危険度をに悩む様を見るとCちゃんはイライラするそうだ。

「海外に出すなら死に目に会えないくらいの覚悟で行け」

と乱暴なことを言う。さらに

「危ないかどうかは本人の心がけ次第」

と言い切る。

リスクはゼロにならない。というか生きている限り死ぬリスクを抱えている。それは日本だろうが海外だろうが、山だろうが下界だろうが変わらない。

しかし、誰も今日が最後の日となる可能性を考える者はいない。そんなことが起きるのは映画「アルマゲドン」の中だけなのだ。

偉そうに言いつつも私だってそんな覚悟はない。

ちょうど1年前は沢で溺れ、4年前は雪山でスリップ。そのたびに慌てふためている。

そして自宅に帰って「あー生きている」と感じるのだ。

 

スティーブ・ジョブズスタンフォード大学でのスピーチで、

「もし今日が最後の日だとしたら後悔はないか?」

と自問していた。そしてその答えが'NO'の日が続くなら何かを変えなくてはならないと。

 しかしながら、リスクについてはサバサバだったにもかかわらず自分の夢を追い続けているCちゃんは

「今死んだら成仏できないで絶対化けて出ちゃう」

と言った。

奥多摩駅から武蔵五日市駅へ〜御岳山トレーニング縦走

梅雨明けしたので運動不足解消に山へ行った。

この夏遊ぶために山道具の準備を続けているわけだが、まずは身体の準備が大切。真剣に遊ぶには事前の段取りが大切なのだ。

去年は梅雨明け一発目に沢へ出かけたら溺れ死にそうになるという目に遭った。慣らし運転で怪我でもしたらシャレにならんので今回は穏当に奥多摩駅から武蔵五日市駅までの縦走にした。

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始発に乗り、午前6時に奥多摩駅へ。駅から数分のところから山に入る。

 早朝から意外と暑い。奥多摩駅からの登りは鋸尾根と呼ばれ、階段と岩場の急登が続き、汗を絞られる。半袖短パンのトレランスタイルで行ったが、走るのはごく一部のフラットな道だけ。

開始2時間で鋸山。展望もないし写真は撮らず、家から持参した巨大おむすびを食べる。米の力は偉大だ。

再び歩いたり走ったりしながら大岳山に。上の写真は大岳山からの展望。富士山はやっぱり見る山だなあと感じる。

 

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大岳山から少し下ったところで水を補給。下界は灼熱地獄だろうから、汲める時に汲んでおいた。御岳周辺には沢もあり、水があるのは大変ありがたい。

ちなみに今回は500mlペットボトルを3本持参。その場で飲んだ量を含めると2.5lくらい消費したことになる。

 

御岳山周辺になるとポツポツ人とすれ違う。暑いせいか5月ごろより少ない気がする。

このあたりは日本山岳耐久レース、通称ハセツネのコースにあたるのだが、あまりトレランの人を御岳山では見なかった。

御岳山に長谷川恒男の名を刻んだレリーフがあった。というかこんなに立派なのにいつも完全に素通りしていた。本当にあの長谷川恒男がこのあたりでトレーニングしていたのだろうか。

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 御岳山から日の出山へ。

標高が下がるせいか暑くなる。それでも紫陽花が咲いているところを見ると、これでも下界とは季節の進みが遅いようだ。

 日の出山から金比羅山へはさらに標高が下がるので、どんどん暑くなる。日なたは走り、日陰はのんびり歩いた。

そんなわけで、歩行時間は計5時間半。

身体の準備の後はその足で登山靴を買いに登山用品店へ。今は遊ぶことしか頭にない。

3シーズン用登山靴に悩む-完〜結局はLA SPOTIVA ドランゴ タワー

うじうじと梅雨空のように登山靴に悩んでいるうちに梅雨が明けた。

いい加減山に行きたくなったので、午前中に奥多摩を走った。週末は予定が立て込んでいるので下山したら直接ショップへ急行。

最後に決めたのはど定番のドランゴ タワー GTXである。

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数年前に一度試着したことがある。

その時は黄色、赤、青の信号色展開で、石井スポーツオリジナルで紫なんかもあった。今回はグレー一択。

その時より足型は少し広がったとのこと。当時は私にとっては幅が少し狭かった。

しかし、申し訳ないがSIRIOなんかよりカッコいいんだな。

 

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まだ実戦デビューしていないのでナンだけど、つま先にはクライミングゾーンがある。岩場ではつま先が乗るかどうかが重要なポイント。

同じ登山靴でも富士山用と謳われているモデルはつま先から踵まで同じソールパターンが多い。その場合、つま先で岩に乗ると岩角に引っかかったりと少し怖いことがある。

'CLIMGING ZONE'とあれば絶対安心というわけではないが、あると単純に「岩場で使ってもOK」というお墨付きがあって嬉しい。

ちなみにトランゴシリーズはトレッキング用のTRKのソールにもクライミングゾーンがある。

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試しばきの感想としてはカタログ重量700gより軽く感じる。まあ他メーカーより軽量なのがSPORTIVAの特徴なんだけど。

一応踵にクランポン用のコバ付きなので、残雪期くらいは使うつもり。前コバはないので、セミワンタッチなら使える。

 

とにかくお値段は税込で5万円弱。ここ数年でNo.1の高額山道具となった。こうなるとあと5年は使わねばとかケチな考えが出てきてしまう。

店員さんの話では耐久性は軽量モデルのトランゴテックよりは上。最新のエクイリビウムはトランゴテックと同じくらいなのでやや弱いとのこと。

今回は高い買い物になってしまった。こうなるとすぐにおシャカにするわけにいかない。ソールを少なくとも一度は張り替えて使うつもりだ。

北海道縦走登山の準備をする~バックパック編

夏は北海道を縦走登山をしたいと考えている。まだ買いもせんのにダラダラ書いた登山靴もその一環なのだが、こちらは一旦態度を保留してまずはバックパックを決めたい。

今回は縦走なので荷物を極力減らすつもり。昨年の北海道登山旅行は基本がピストン登山だったので、基本的に装備はテントにデポしておけた。体力にも不安があるので、今回の軽量化はマスト課題となっている。

 

さて、バックパックはどうしよう。現行保有しているバックパックは複数。

候補1 ZERO POINT エクスペディションパック80

候補2 GREGORY トリコニ60(実際は58L)

候補3 patagonia アセンジョニスト45

候補4 THE NORTH FACE プロフィット40(実際は38L)

いつの間にかこんなにたくさんになってしまった。

 

ZERO POINTは重すぎる。本体のみで3kg。

それにバックパックが大きいと大抵余計なものを詰めるというスパイラルに陥るのでよくない。

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ZERO POINTを最後に使った鳳凰三山

プロフィットもいいのだが、いかんせん小さい。

2泊3日の熊野古道で使ったこともあるけど、その時は寝袋なし、テントなしだった。今回は北の大地で縦走なのでちょっと無理がある。

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熊野古道で使ったプロフィット

 

現実的にはアセンジョニスト45かトリコニ60。

アセンジョニストには遊びが全くないので、お土産や買い出しは不可能。

しかし軽いんだな。うーむ。

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春夏秋冬問わず使っているアセンジョニスト

 

実際去年の北海道旅行で使ったのはトリコニ60。

着替えの量を考えるとこれが一番。それでも写真を見るとパンパンになっている。

問題はトリコニは本体重量が2kg以上あること。本体が軽量化されていないので、ここのところ縦走に使っていなかった。あとは体力を鍛えるばかりか。

おそらく今回も長丁場。選択肢はトリコニしかないだろう。あとは何を詰めるか。そろそろ考えねば。

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北海道に下りたトリコニ60