クモノカタチ

山から街から、雲のように思いつくままを綴ります

普段のお弁当と駅弁

ゴールデンウィークの天気が気になっている。

これは遊びに行くからではなく遊びに行けないからで、絶好の天気だったりすると悔し涙で仕事なんぞ手につかないからだ。

やれやれ。

今週のテーマが最近「お弁当」食べてますか?とのことだが、最近どころか毎日お弁当だったりする。これは別に素晴らしくお弁当の出来がいいからというわけでなく、外食すると高いからというエコノミーの観点からだ。

普段晩ご飯の残り飯みたいな弁当を食らっている分、旅先ではお弁当も少し楽しみになる。

ここのところ夏は北海道に逃避することが多く、その際の電車移動といえば駅弁となる。

北海道はいい。鮭いくら丼やカニ飯がそのまま駅弁になるのだ。これが単なる「のり弁」とかを食べさせられると、これまた悔し涙となってしまう。

登山で行くとなると信州が多いのだが、北海道と比べると山国だけあって食材がやや貧しい。

野沢菜とか信州牛とかいろいろあるけど、やっぱり北海道にはかなわないのだ。

そんな時はB級グルメで鳥めしや山賊焼きなんかを食べることが多い。劇的に美味いかと言われると困るけど、外れはない。

ただし、過度に期待しちゃいけない。このあたりのバランスを心得ていれば楽しくいただける。

 

こんなことを書いているとゴールデンウィークに仕事をするのがますますバカバカしくなってきた。

いやはやどうしよう。

アウトドアは天然素材?人口素材?

相方が歴史クラブの顧問になった。

特に自分で希望したわけでなく割り振られただけらしいのだが、歴史は好きなので引き受けたのだという。「ハンバーグのルーツって知ってる?」という募集広告を出した結果、20人の部員が集まり、無事クラブは成立したようだ。

その歴史クラブの船出は南極探検のロバート・スコットとロアール・アムンゼンを取り上げた。最近私が図書館で借りてきたチェリー・ガラード『世界最悪の旅』に触発されたようだ。

『世界最悪の旅』はロバート・スコットが率いるイギリス隊が南極点を目指した記録である。

スコット隊はロケットが多段式に燃料を切り離すように、順次人数を絞って極点を目指す方式を採っており、著者のチェリー・ガラードも途中までスコットに同行した。結果、スコットをはじめ5名の極点隊は全員死亡したので、最後に何が起きたかは彼らの残した記録によって再現されている。

 

よく言われるのはスコット隊らイギリスは当時の最新鋭の装備、駆動橇とポニー、ぺミカンなどの保存食を主力にしたのに対して、アムンゼン犬ぞりとアザラシなどの天然素材を主力にしたことだ。

結果論にはなるが、駆動橇は途中で故障し、ポニーはほぼ全滅。ぺミカンではビタミン不足となった。チェリー・ガラードは犬ぞりを用いずに失敗したのは結果論だと反論しているものの、駆動橇によって人力で南極点を目指したことが、生還できなかった要因と認めている。

対して、アムンゼン犬ぞりの機動力と生肉によるビタミン補給という極地に生きるエスキモーの知恵を使って全員無事に帰還した。

この時のインナーはウールでアウターはゴアテックス

私も地味ながら、アウトドアで天然素材を選ぶか人口素材を選ぶか結構迷う。

かつて化学繊維のシュラフを使ったら、嵩張ってどうしようもなく、後にダウンシュラフに変えた。一方でウールシャツを冬場は使っていたのだが、ボロボロと毛玉が落ちるので、今は化繊シャツを愛用している。

また、濡れるアクティビティでは化繊じゃないとどうもダメだ。

「アウトドアでは天然素材でしょ」と思うものの、どうも単純に天然素材がいいとも言えないもどかしさがあって悩ましい。悩ましいけど、まあ面白い。

アウトドア好きに道具好きが多いのはこういった歴史的経緯もあるのかもしれない。

もしも反対方向の列車に乗れたら

かつて「通勤電車とは反対方向の電車に乗ったら」というテレビ番組があったらしい。

朝の通勤時間帯に電車を待つサラリーマンを捉まえて、その人の会社に番組が連絡をする。一日、彼または彼女を借りていいかと上司に確認の上、通勤とは反対方向の電車に乗って好きなところに行ってもらう。

最初は緊張しているサラリーマンも都心を離れるにつれて心なしか表情が緩む。ただ都会の勤め人の表情が変わっていく様を映し続けるという不思議な番組だ。

鹿児島川内と熊本を肥薩おれんじ鉄道の車窓

思い付きで「今日休みます!」と宣言して反対方向の電車に乗って、いつも行けないところに行く。

私にはそんな大それたことはできないが、時折予定も決めずにプチ放浪の旅に出かけたくなる。ローカル線で車窓を眺めながら本を読む。眠くなったらうたた寝

本当のセレブであればプライベートジェットかハイヤーに乗って移動かもしれない。しかし、そんな大げさなものでなくても、ただ都会から遠ざかる列車に乗る。

それだけの贅沢が時にはあってもいいのかもしれない。

秋田能代五所川原を結ぶ五能線の車窓から

妄想の登山準備

ここ10年ほど4月は忙しくなっている。

忙しいと山へ逃避したくなるのも恒例で、今から夏にはどこへ行こうと、仕事の傍ら頭はそんなことばかり考えるようになってしまう。

以前は行きもしないのに家で山道具をパッキングして、部屋の隅に置いておくというようなことをしていた。

「今にみておれ。スキを見つけたら山に行ってやる」

と怨念のように思いを込めていたわけだが、今はそのパッキングをする余裕もない。

ひたすら頭の中で妄想するだけにとどまっている。

以前はひたすらに軽量な装備を考えていた。

手持ちのPatagonia アセンジョニスト45にダウンシュラフと軽量な1人用テントを詰め、マットもSEA TO SUMMITの半身用エアマット。ストーブはプリムスP-116にEPI GASのチタン製ATSクッカーを組み合わせる。

10年以上使っているグレゴリーのロゴ入りマグカップは持って行こう。インスタントコーヒーは忘れないように。

かつて山小屋の人に「日帰り?」と訊かれたくらいのコンパクトサイズのパッキングに仕上げるのだ。

 

うーむ。気分は持ち上がったものの、画餅というか畳の上の水練というかやや忸怩たる気持ちになってきた。

せめてテントに防水スプレーかけるとかやっとこうかなぁ。

 

これから登山でしたいこと

このところ登山に求めるものが変わって来たような気がする。

私は2012年の12月に初めて(ある程度)本格的な雪山として八ヶ岳天狗岳に登った。その時から数年間はひたすら山登りのレベルを上げることばかりを考えていた。

夏は丹沢あたりの初級沢を登ったり、北アルプスをテント泊で縦走したりし、冬は八ヶ岳南アルプスなどを中心に雪山山行。

かなり遅咲きというか狂い咲きだったけど、それなりに楽しかった。

初めての本格的な雪山(天狗岳登山)

それが徐々に変化したのは2018年くらいで、相方と出会ってのんびり歩くようになってからは山で何を食べるかとか、どうのんびり過ごすかが中心になってきた。

今までは具なしのインスタントラーメンを食っていたのに乾燥野菜を加えたり、現地でオリジナルカレーを買ったり。

去年は白神岳に行って、現地ガイドのおじさんからキノコを教わった。ブナハリダケを大量に持って帰って家で食べると独特の臭みがなんとも癖になりそう。これまで単に山に登っていた時に比べて、山を自分の内部に取り込んでいるような気がした。

今年はキノコか山菜を見つけつつ、キャンプ地で天ぷらか鍋をしつつ山を縦走できたら楽しいだろうなと思っている。

菜の花と躑躅の繚乱

すっかり春になってきた。

春と言えば桜というイメージがあるが、活躍期間があまりに短いので堪能する前に散ってしまうこともある。それに比べると菜の花は少し期間が長いので、「春が来たぞー」と感じることが多い気がする。

 

というわけで先週末に巾着田で見た菜の花畑はこんな感じだった。

菜の花畑は植える必要もないのにすごい規模で咲き誇る。チューリップ畑とかもいいのだけど、どことなく人工ですという感じがしないでもない。

次は利根川沿いにサイクリングへ行った時の河川敷。

これもなかなかの圧巻。

 

菜の花畑の奥に何かを配置するとしたら、これ。

鹿児島・開聞岳に行った時の菜の花畑。

それに対して、菜の花より少し後になると躑躅の時期になる。

躑躅は平地もそうだし、山ツツジもあるので、登山をやっていると見る期間がより長い気がする。

こちらは日和田山躑躅

躑躅の名所と言えば奈良・葛城山で、ここもまた圧巻の咲き具合になる。

最後に山ツツジ

こちらは山梨・鳳凰三山から下山中に撮ったもの。

今年はゴールデンウィーク休めるかな。

休めたら山に行きたいなあ。去年はほぼ休めなかったし。

巾着田で菜の花の花見

まだ先週末日曜日の続き。近場といはいえ久しぶりのお出かけだったので延々と書いてしまう。

和田山登山を午前中に終えてしまったわれわれは310mの山頂からささっと下りて巾着田を散歩した。ここは以前、秋に自転車で来たことがある。曼珠沙華が有名なところでそれを狙ったのだが、すっかり時期が終わっていて、代わりに紅葉がきれいだった。

今回は春。桜は先週末が最盛期だったようで、葉桜になっている。ただ、高麗川沿いの川沿いの並木は立派だ。

加えて菜の花畑がきれい。

さっきまで登っていた310mの日和田山が大きく見える。

ぷらぷら30分ほどして高麗駅に向かった。

この日は暑くて初夏の陽気。相方がクリームソーダを飲みたいと言うので、帰りにレモンスカッシュとバニラアイスを買って家で創作クリームソーダを作って(単にコップに入れただけだが)飲んだ。