クモノカタチ

山から街から、雲のように思いつくままを綴ります

2019-01-01から1年間の記事一覧

大人の嗜み

せっかくの年末年始休みに入ったのに、今年は親戚廻りに忙殺されて山に行けそうにない。なんだか悔しいので日帰りでパパッと雲取山を往復してきた。年末最終出勤日に納会さえなければ翌朝発で八ヶ岳か甲斐駒ヶ岳に行けたので、今は親戚廻りより納会が憎い。…

山を撮るということ

また社内報の表紙に写真が採用された。とはいえあくまで無給である。今回はカナダ・カナディアンロッキーの山並みで、今年10月に撮ったものだ。私がカナダに行ったまま台風で帰ることができなくなったのは周知の事実なので、犯人は自明。新年号として出すの…

パタゴニア・ナノエアの実力は?

この冬はあまり寒くなっていないような気がする。ただ、寒くはなくともTシャツでは歩けないので、長そでシャツにフリースかなにかを羽織っている。「猫」のように洗濯の必要のない一張羅が羨ましいと思っていたら、最近は服を着た小型犬がずいぶん多いこと…

えらい肩書き

実家での会話。 私「〇〇さんって常務執行役員だってね」 母「常務執行役員って普通の常務とどっちがえらいの?」 私「別にえらいとかないんじゃない。会社にもよるし」 母「でも常務の方がえらいんでしょ?」 私「いや、執行役員っていうのは業務執行をやっ…

ダウン・Down

日本にもいよいよ冬が来た。今年は10月にカナダのキャンモアで前日プラス10℃から翌日マイナス10℃を経験しているので変な感じがする。私は暑がりで寒がりというわがままな身体をいるので大変だ。冬山は特に大変で、登り始めは寒く、徐々に身体が温まり、ちょ…

勲章

会社でSDGsのバッジとやらが配られた。 17の色がドーナツ型に並ぶデザインで、17色は国連の持続可能目標をそれぞれ象徴していることになっている。ここではSDGsについて熱く語ろうなどという真似はしないけど、最近バッジをつけているサラリーマンを時々見る…

整体の効用

奈良マラソンに出た。2年前に3:19というタイムだったせいか、恐れ多くもAブロックに配置されてしまった。周りでは 「何?その格好(せんとくんの着ぐるみ)でサブ3?」 「会社の倉庫にあってん。やったらええもんくれる?」 「スーパードライ買ったるわ」 …

情報難民と読書

来年の手帳をめくっていたら「体育の日」がなくなっていることに気づいた。 今更のように思われるかもしれないが、ここのところテレビが家にないのは相変わらずのことながら、ラジオも聞かないので、世間というものからずいぶん遠ざかっている。新聞も読まず…

写真を飾るということ

ここのところ家具への出費が増えている。 一人暮らしの時には冷蔵庫、洗濯機、ちゃぶ台、マットレスのないベッド、安物の金属ラックとCDラジカセくらいで、必要最低限のものしかなかった。その必要最低限も、洗濯機は10年以上前に亡くなった祖母の家から引…

指輪ころころ

「昨日、婚約指輪を買いました」ある朝、いつものように定時より1時間以上早く出社すると29になる後輩がそう話した。「へー、どんなのにしたん?」指輪の価値などわからないがとりあえず訊いてみる。「銀座の○○というお店で買いました。もう彼女がほしいと…

ただいま故障中

9月半ばから痛かった足がようやく治ったと思ったら今度は風邪をひいてしまった。最初は喉の入り口がヒリヒリしていたので、「危ないなあ」と感じていたら、徐々に奥が痛くなってきた。鏡で見ると赤くただれていて、いかにも危うい。 なんとか頭痛、発熱に発…

皇居ランナー

金曜日の夜に皇居の周りを走ってみた。いわゆる皇居ランである。会社で着替え、スーツ姿の間を縫って外に出て、トコトコ皇居の堀に向かう。 堀の縁に近づくと、ここから皇居の周回コースと一目わかるくらいにランナーが走っていた。みんな鮮やか、シック、そ…

海外旅行にブラックホールダッフル

今回、カナダ旅行は飛行機の欠航などもあり、計12日間という長期に渡った。荷物は何で持って行くか迷った末、パタゴニアのブラックホールダッフル60に詰め込むことにしたが、結果的にこれが大正解だった。 ちょっとカナダ旅行の番外編としてパタゴニア・ブラ…

カナディアンロッキー紀行⑨ーいろんな顔

カナダディアンロッキー紀行の最後はすんなりと終了とはいかなかった。 バンフからカルガリーに戻り、レストランでアルバータ牛を食べ、ホテルで映画を見てめでたしめでたしと考えていたら、日本に帰ることができなかった。原因は台風である。台風19号は東海…

カナディアンロッキー紀行⑧ーカナダ料理事情(続)

カナダは意外なほど多民族国家だった。バンクーバーから乗るスカイトレインの乗客は半分くらいが中国系で、立派な髭を蓄えたインド系の人もいる。特にバンクーバーは香港返還の際に移り住んだ人が多く、'Hong Kong-couver'と呼ばれているらしい 。 アメリカ…

カナディアンロッキー紀行⑦―バンフの愉しみ

バンフはカルガリーからバスで2時間半ほどの山に囲まれた街である。夏には登山、冬はスキーで賑わうリゾート地で、日本で言えば軽井沢をイメージするとわかりやすい。ただ、周囲は屹立した岩壁をいただく険しい山容なので、軽井沢と上高地を足し合わせた街…

カナディアンロッキー紀行⑥ーカナダ料理事情

旅の楽しみにはいろいろある。これまで見たことのない景色を求めるという旅もある。単に日常を離れてのんびりするという旅もある。あるいは人との交流を主にする旅もあるだろう。 ただ、食の合わない旅は不幸なばかりだ。 久しぶりの海外旅行であるが、行き…

カナディアンロッキー紀行⑤ーキャンモアの意外

カナダ行きを決めた時は当初、ユーコン川で川下りをしてみたかった。野田知佑『北極海へ』、『ユーコン漂流』や石田ゆうすけ『行かずに死ねるか!』でなんとも日本のセコセコした時間感覚からかけ離れたイメージがあり、ぜひともカヌーでの川下りをしてみた…

カナディアンロッキー紀行④ーロッキー現わる

カナディアンロッキーと題しながら全くカナディアンロッキーが出てこない。これでは羊頭狗肉というか看板に偽りありになるのでそろそろ登場してもらおう。バンクーバーから翌朝カルガリーに飛んだ。カルガリーからはBanff Airporterという予約制バスに乗る。…

カナディアンロッキー紀行③ーキャシュレス社会

バンクーバーに降り立ってまずしたことは、トイレに行って、あとはカナダドルを手にすることだった。トイレは重要で、日本みたいに駅やなんかにトイレはない。できる時に済ませるのが鉄則らしい。それはさておき換金である。カナダドルは$20だけにした。$1は…

カナディアンロッキー紀行②ージェットラグはパーティーを

成田を出発したのは定刻を10分ほど過ぎた17:00だった。飛行機が安定飛行に入るとすぐに夕食。そして夕食が終わるや消灯となる。バンクーバー到着予定は9:25だ。これだけ聞くと16:25かかる計算になるが、そこには時差が存在している。日本とバンクーバーでは1…

カナディアンロッキー紀行①ー遅刻恐怖症

カナダへ行った。事情があって、もう帰国しているはずなのにまだカナダにいる。それへんはまた後ほど。何しろ10年以上も日本に閉じこもっていたので、なかなか海外へ行くのに見えない障壁がある。障壁の最たるものは言葉であり、いくら日本で洋食を食べ、洋…

丸の内に吹く風は

ここのところ私の近辺で障がい者雇用について話題になっている。行政の方針で、一定比率以上の障がい者を雇用する必要があるらしい。今までは罰金(納付金と呼ぶ)だけで済んでいたのが、今後は改善命令が出され、改善が見られない場合は社名を公表するとし…

学校の名前を売ってみたら

天気はまあまあなのに、足を痛めてなかなか走ることができない。仕方がないので家から少し離れた図書館に行った。図書館は小学校の隣にあり、公民館と併設されていた。3月に引っ越してみて、少し驚いたのは学校名が番号になってることだ。「◯◯市立第三小学…

個人的な山服の変遷

ずいぶん涼しくなってきて、駅前の丸井なんかに行っても秋物の衣料が並ぶようになった。関西にいたころはさほど感じなかったが、ファッションはやはり東京という気がする。 大阪人は「東京がなんぼのもんじゃ!」と思っているくせに、朝のテレビ番組では「東…

忘れ物の源泉

小学生の頃だっただろうか。母親がこんな逸話を話してくれた。 30代である男性が若年性認知症と診断された。最初はちょっと物忘れが激しいというくらいの自覚症状だったが、たちまち症状はひどくなり、少し前の出来事もたちどころに忘れるようになった。もは…

スポーツ用品とアンバサダー

以前、ランニングシューズについて、私はアシックス派と書いた。まあそれは今でも変わりはなくアシックスのLYTRACERというモデルでその辺を走り回っている。しかし、ここのところマラソン界ではNIKEの厚底シューズがホットらしい。大迫傑の日本記録で火が付…

山を歩く人ー塩見岳~北岳山行(続)

人が山に登れば「仙」となり、谷に下りれば「俗」となる。ただ、今回の縦走は日本第2と第3の高峰である北岳と間ノ岳に入ると一気に俗気が増してしまう。 2999mの三峰岳から間ノ岳の頂上へ向かうと今までが何だったかという喧騒が押し寄せてきた。北岳から…

山を歩く人ー塩見岳~北岳山行(day2/2)

熊ノ平小屋は稜線にありながら水の豊富なところだ。 「南アルプスの天然水」は甲斐駒ヶ岳近辺であり、山梨側の麓である北杜市にサントリーの工場がある。CMで宇多田ヒカルが登ったのも南アルプス北部の栗沢山という山で、最後のシーンは甲斐駒ヶ岳で締めく…

山を歩く人ー塩見岳~北岳山行(day1/2)

久しぶりに南アルプスを歩いてきた。鳥倉林道から三伏峠を経て塩見岳。さらに北へ向かい、間ノ岳、北岳を経て下山した。 このルートは10年くらい前に買った山岳雑誌に載っている。掲載記事は北岳から南下して塩見岳へ至るもので、アウトドア・ライターの高橋…