相方から化学式を教えてくれと言われた。
そんなことを言っても我が家は2人とも文学部。私の場合、父と妹は工学部という家だが、化学はからっきしダメである。それでも高校化学と高圧ガスやら電気の資格試験をやった時の記憶を掘り起こしながら教えた。
彼女の方が理系分野を受け付けないらしい。
世の中ないものねだりで、自分にこういう才能があったらなと考えたりする。
最も欲しがられる才能は音楽だろう。なくても困らないけどあると楽しいし、モテるし。
加山雄三みたいに音楽、料理、絵画くらいできたら楽しいだろう。おまけに趣味がヨット。
相撲の増位山や将棋の内藤國雄九段みたいに本業とは別に歌手になってしまう人もいる。これも羨ましいかと言えば羨ましい。
ただ、仕事になるとつまらなくなる危険性もあるので、普段は趣味くらいにする方がいいだろう。
同じ多芸多才でも、世間では振れ幅が大きい方が珍しがられることが多い。
歌って踊れるアイドルなんかは同じ分野の延長線上にいるだけだから珍しくない。そこに演技をプラスしても同じ芸能の中だからさほど変わらない。
芥川賞を受賞した又吉直樹くらいになるとすごいが、芸人と作家は同じ表現者というジャンルの中にいる。そう考えると振れ幅は大きくはない。
同じく芥川賞では作家でパンクロッカーという町田康がいる。振れ幅度では芸人の上を行くように思える。ただ、これは感覚の問題で理由はない。
スペインのフリオ・イグレシアスなんかは歌手で弁護士。内藤國雄九段と何が違うかという意見もあろうけど、本業は歌手の方だからすごい気がする。
そう考えると世間の評価というのはいい加減なものだ。
登山家は別の肩書を持つ人が多い。ただ、登山は職業になりえないのだから、他に本業があるのは当然ともいえる。
フリークライマーの平山ユージさんは岩登りを始めた時に
「これで一生退屈しないで済む」
と思ったらしい。
1つ好きで秀でたものがあればそれで十分なのかもしれない。
昨日のブログでも書いたが、夢中になるものがあれば他の能力が引き上げられることがある。好きなことを調べるために読書を始めたり、インターネットを使ったりするうちに多芸多才になっていく。
多芸多才は望んでなるものでなく、好奇心の帰結としてなるのが理想だと思う。