妹のところで2人目の子どもが生まれた。
1人目が女の子で2人目も女の子。当然、名前が必要になるので、どんな名前にするのかと思ったら、LINEでお知らせが来た。
妹は漢字3文字の名前である。ここでは仮に「a+b+c」としよう。長女の名前を式で書くと「x+a」となる。それではこの度誕生した次女は何かと言えば「c+x」。
失礼な話が、安易な付け方のような気もするが、子どもとしてはカッコのいい名前なら何でも由来なんてどうでもいいとも言える。なにしろ名前は人生の一大事なのだ。
"ICHIRO is the first name."(イチローってファーストネームなんだって)
"Good idea!"(いいね!)
Tomorrow(翌日)
"Hi John! Hi John! How confusing."(やあジョン!やあジョン!なんてややこしい)
イチローが登録名をファーストネームで行っているのにあやかって真似をしたらジョンだらけになったという話。
イチローなんていうシンプルな名前ですら重複しないのだから、日本の名前バリエーションが恐ろしく多いと言える。ヨーロッパ・アメリカは聖書から由来する名前が多いので、読み方こそ違え、バリエーションは多くないし、名前を創作する習慣そのものがない。
ジョンはヨハネでもあるし、メアリーはマリアでもある。
キラキラネームなんていう言葉もあり、昨今はオリジナリティ重視の名前が多いのかと思っていたら、案外親から一字取ったり、「子」が付くクラシックな名前も多いようだ。
考えてみれば親から一字というのは日本ならではだ。いとこは三兄弟で全員が父親の一字「陽」が付いている。同じ字でも読み方を変えているから、それぞれオリジナリティが感じられるのがいい。
ヨーロッパでは組合せが効かないから、親から取ると同名に'Jr.'が付くだけになる。メジャーリーガーのKen Griffey Jr.みたいに父を上回る名選手になればいい。ただ、日本でも長嶋一茂や野村克典みたいに明らかに親子とわかる名前が重荷にならないか気になるところだ。
親が一字渡すのはそれなりに愛情を感じられる一方で、好きな芸能人の名前を付けるとかは、何だか危険な気がする。
私の弟には「彬」の字が入っている。母親曰く
「その頃、中尾彬がドラマで嫌な役やっててね。どうしよか迷ってんけど、いい名前やし付けてん。そしたら最近は中尾彬の案外いい人とわかってよかったなあと」
その逆もまた起こり得るのである。