新年を迎えたのにまだクリスマス頃の話が終わらない。ただ、せっかくなので大分旅行の最後に行った杵築のことを書きたい。
旅の目標だった由布岳を下り、竹瓦温泉に浸かり、「まあ今回はこんなもんか」と私は思っていた。しかし、相方は最終日に国東半島に行きたいのだという。国東には神仏習合の寺社があり、奇岩の山を含めて不思議な景観を形成しているらしい。大分空港は国東市に位置しているので、早朝のバスに乗って空港に行き、路線バスを乗り継げばなんとか行けそうだった。
ところが国東寄り道計画はあっという間に頓挫することになる。別府から6時前に乗った高速バス。ところが高速は雪のために封鎖されたので一般道を通るらしい。時刻表どおりなら1時間ほどのところを2時間以上かかり、始発バスは既に行ってしまっていた。
仕方ないので空港で路線バスの時刻表を眺める。別府と大分空港の中間にある杵築に城があるという。よくわからないが、大分の歴史にちょっとは触れておこうと再び別府行きの路線バスに乗った。
杵築城は1394年築城。川と海にせり出した丘の上に立っている。安土桃山時代には島津の大軍が押し寄せたものの、陥落しないなど城塞としてかなり有能だったようだ。
ただ、今の天守は模造品で戦後建てられたらしい。入ってみたかったが、その日は大雪で職員が到着できず、城を開けられないのだとか。1500年代も2021年もなかなか落ちない城なのである。
杵築城を諦め街を歩いてみた。
杵築の城下町は丘の上に武家屋敷、下に商家という珍しい構造になっている。しかも武家屋敷群は2ヵ所に分かれた丘にあり、間の窪地を通る道沿い商家が並んでいる。
武家屋敷は特に珍しいものはないものの、かなりの数が残されていて、カフェなどになっているものもある。今回は時間がないのでバスの時間までひたすら歩いたが、ここに一泊するのもいいかもしれない。
坂を下った商家に味噌の店があった。
入ると木の火鉢に鉄瓶が据えてあり、いい雰囲気だ。火鉢の墨には火が入っていて、見せかけではなく実用として使われている。
ここで相方は糀を買っていた。
ふらっと寄ってみたが、杵築はなかなかよかった。
今回、初めて大分に上陸したが、もう少し暖かい時期にもう一度行ってみたくなった。