クモノカタチ

山から街から、雲のように思いつくままを綴ります

徒歩で上野のポンペイ展へ

自転車で青梅の梅を見に行った次の日、今度は徒歩で上野の国立博物館に行った。

この日は家から徒歩ではなく、あくまで上野まで電車に乗って駅から徒歩。上野の駅前は久しぶりに行くとずいぶん変わっていた。

f:id:yachanman:20220317211311j:plain

今、国立博物館では「ポンペイ展」と「六波羅蜜寺空也」がやっている。口から「南無阿弥陀仏」と仏が飛び出す空也にも惹かれたものの、ちきりんさんが勧めていたポンペイ展を選択した。

ポンペイ帝政ローマ時代に栄えた都市。ヤマザキマリテルマエロマエ』を思い浮かべるとわかりやすい。石でできたコロシアムや公衆浴場のある世界だ。

西暦79年にヴェスヴィオ山の噴火により一夜にして消滅したという幻の都市である。

1世紀にあって約1万人が住んでいたとされるからすごい。水道が敷かれ、銅でできたバルブなんかも見つかっている。

緑青が付いているだけで作りは頑丈。これが「昭和の遺物です」と解説されても、全く違和感なく受け入れるだろう。

f:id:yachanman:20220317210130j:plain

驚くのは水道にとどまらず、医療器具から彫刻、絵画まで。

まあ「この時代にすごい!」と感じるのは現代人の傲慢で、人間はあまり進化していないのかもしれない。

この真ん中に髑髏を記した絵は何を意味するのだろう。貧富も生と死の狭間のもの?

杖に髑髏を付けて歩いたという一休宗純よりも雄弁に語っている気がする。

 

彫刻や絵画はこういったシュールなものもあったが、基本はギリシャ神話が多い。当時の教養・古典はギリシャなのだ。

ただ、内容はルネサンス期のそれにレベルが近い。造形も見事。

ヨーロッパはギリシャ・ローマ期に科学技術が発展し、中世に落ち込んだ後、ルネサンス期に再浮上する。1世紀にはすでに16世紀くらいの水準だったかもしれない。

f:id:yachanman:20220317210023j:plain

あと面白かったのはこの絵。

伊勢海老と蛸がバトルしている。食堂に掲げられたそうだが、これを見ながら何を食べたのだろう。

「今晩は伊勢海老と蛸でブイヤベース食いたいなぁ」とか考えていたのかな。

 

朝からポンペイ展を見て、ついでに常設展示の日本館と東洋館を見たら一日中楽しめた。日本館の裏に茶室があるなんて初めて知った。

ポンペイの人と同じく日曜日は教養の日なのだ。