クモノカタチ

山から街から、雲のように思いつくままを綴ります

杵築の大坂と味噌〜九州、山と街の温泉旅④

年も明けたので去年の旅はそろそろ最終回にしようと思う。

 

今回の旅の真打、法華院温泉九重山登山を終え、別府で温泉に浸かって最終日は杵築へ向かった。杵築は昨年も行ったところで杵築城の城下町だ。熊本城に始まり、杵築城で終わる。城 to 城の旅となった。

杵築は杵築城を中心とした城下町。中世からある木付が近世に入って杵築となって現在に至る。

大坂、江戸、熊本が堀や川を使った城塞都市だったのに対して、規模の遥かに小さい。杵築は川に囲まれた台地を利用して街を形成していて、高台は防衛の主軸になる武家屋敷や寺院が建ち、谷間に町家が並ぶ。武士の住む高台は町屋のある谷で二箇所に分断されていて、急な坂が向かい合っている。こういう景色は珍しい。

杵築に向かった目的は糀。

去年、相方が糀を買って味噌を漬けたところ、思いの外美味くできたので、再び作ろうということになった。

中に入ると腰の少し曲がった小柄なおばあさんが1年前と同様に対応してくれる。相方が糀の量を訊くと奥からその息子と思しき男性が出てきて丁寧に教えてくれた。去年と同じものを作るには、去年作った味噌を今年のものに混ぜるといいらしい。糀菌が生きるので、味が近くなるという。

結局、糀を1.5kgも買い、バックパックは行きをはるかに超える重量となった。

武家屋敷や寺院を見学し、名物の坂を登ったり下ったりして、おしゃれなイタリアンカフェで食事をし、バスで大分空港へ向かった。

いつもと違う展開。その「いつも」なら飯も食いはぐれてコンビニでパンでも買うところだ。今回は3泊4日でかなり緩い旅だった。たまにこういうのもいいかもしれない。