クモノカタチ

山から街から、雲のように思いつくままを綴ります

豆腐を豆から作ってみた

椎名誠と怪しい探検隊」という番組が昔あった。

椎名誠がアウトドア好きの仲間と遊ぶという番組で、登山やクライミング、釣りやカヌーから紙ヒコーキまで、いろいろやる。特徴はひたすら出演者がオジサンであること。いい大人が本気になって遊ぶところ、色気より食い気なところがいい。

その中で奥多摩の源流で豆腐を作るというのがある。水をテーマにするために豆腐を作ろうという。しかし、豆腐だけではつまらないから岩に登ってから豆腐を食うという規格である。

最近クライミングもさっぱりやっていない私なのだが、ミキサーを買ったのを機会に豆腐作りだけやってみることにした。

 

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前回に引き続き、「名水」の水路


まずは水。

本当は青梅の御岳か、奥多摩の源流、または甲斐駒ヶ岳にでも行って、白州の名水を汲みたかったが、そんな暇もない。近所の「名水」を夜中に汲みに行き、それで豆腐作りに使うこととした。

バックパックを背負い、ヘッドライトを着けて水を汲むさまは十分に怪しい。

 

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大豆をミキサーにかけたもの

さて、まずは豆を水に浸す。

8時間くらいということだが、一昼夜ほど浸してようやく柔らかくなった。

そしてそれをミキサーにかける。

ちなみに水を汲んだのは私だが、浸してミキサーにかける工程は相方がやったので、豆腐を作ったと宣言する権利が5分の1ほどしかない。

 

今度は鍋で湯を沸かし、ミキサーで白いペースト状になった大豆を投入する。

謎の白い泡がボコボコ出るので、お玉で掬い取って捨てる。灰汁とか言われるものの正体は謎なことが多い。

それはともかくこの温めた液を布で漉す。漉した時に取れるカスみたいなものが「おから」。

落語「千早ふる」では、「からくれないに水くくるとは」の「から」を「おから」とこじつけていた。噺を知らなければ全くわからないだろうけど、とにかくおからはたくさん取れる。

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豆乳を再び過熱

漉した汁が豆乳。

豆乳を再び温めて70度くらいになったら、にがりを入れる。家にあった温度計が壊れていたので、湯気が立ったあたりで火を消して入れてみた。

かき回して15分待つ。

 

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にがりを入れて豆腐にする

しばらくするとにがりの効果で固まりだす。

それを布巾を敷いた型に入れて重しで押さえる。水が切れたら木綿豆腐の完成となる。

味はというと市販のものよりザラザラして豆の味が濃い。あと味が素朴で、大人の味とも言えるだろう。

市販の豆乳を買えば、温めてにがりを入れるだけなので、より簡単。

しかし、簡単とはつまらないの異名でもあるので、残った豆で今度は一からやってみたい。

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手作り木綿豆腐