家の話を立て続けに書いた。
終の住処という言葉があるように、家を建てると住処に困らない一方で離れられなくなる。慎重に選ばなくてはならないのは当然。
今度、家を建てるという後輩は地元埼玉ということで、最初から埼玉以外で探すという選択肢はなかったようだ。さらにハザードマップを確認し、台風や豪雨で水没しないエリアを調べ、最後は日当たりを見て決めたそうだ。
私が住まいを選ぶ条件は、ジョギングをして楽しい場所か。
早い話が緑が多い場所がいい。その意味で今はちょっと離れた場所に大きな公園があり、そこには湧水があっていい雰囲気だ。
ちなみに、この湧水を汲んで昨日、豆腐を作ったのだが、その話はまたしたい。
住まいの理想を述べるとキリがなくなる。
①職場からそこそこ近い
②買い物が楽
③土地が安い(家賃が安い)
④自然が多い
⑤魚と野菜が安い
私が最初に住んだ広島の郊外は①から④までは満たしていた。
ただ、最寄駅までバスで15分。独り暮らしの孤独を紛らわせるものは皆無で、永住したいとはとても思えなかった。
次に住んだ横浜の郊外はわりとどの条件も満たしていた。ただ、ちょっと自然は少なかったのと、土地は少々高い。職場からも今なら1時間半くらいかかるのがネックでもう住めない。
そもそも②と④は矛盾する。人が増えれば利便性が増し、同時に自然が失われる。それに利便性の高いところは物価が高い。さらに実家が近いなどの条件が加わる家庭もあるかもしれない。
全部を満たすのはまあ困難。結婚していればひと悶着あるところだろう。
そんな困難な条件のもと、多くの人は妥協できる順位を定めて家を建てる。
さる後輩は縁もゆかりも利便性も妥協して、結婚するやすぐに家を買った。住宅ローン控除があるとかで、かなり性急な感じもしたが、コスパ重視だったようだ。
ただ、悲劇だったのは彼が離婚してしまったことで、その後10年弱の間、戸建での独り暮らしになった。今は会社が移転したことで通勤時間が減り、再婚して子どもができて、めでたしめでたしなのだが、いくら検討しても想定外は必ずある。
できるなら、ヤドカリのように好きなところに好きなサイズの住まいを構えたいが、そうもいかないのが日本の住宅事情である。