クモノカタチ

山から街から、雲のように思いつくままを綴ります

もしも反対方向の列車に乗れたら

かつて「通勤電車とは反対方向の電車に乗ったら」というテレビ番組があったらしい。

朝の通勤時間帯に電車を待つサラリーマンを捉まえて、その人の会社に番組が連絡をする。一日、彼または彼女を借りていいかと上司に確認の上、通勤とは反対方向の電車に乗って好きなところに行ってもらう。

最初は緊張しているサラリーマンも都心を離れるにつれて心なしか表情が緩む。ただ都会の勤め人の表情が変わっていく様を映し続けるという不思議な番組だ。

鹿児島川内と熊本を肥薩おれんじ鉄道の車窓

思い付きで「今日休みます!」と宣言して反対方向の電車に乗って、いつも行けないところに行く。

私にはそんな大それたことはできないが、時折予定も決めずにプチ放浪の旅に出かけたくなる。ローカル線で車窓を眺めながら本を読む。眠くなったらうたた寝

本当のセレブであればプライベートジェットかハイヤーに乗って移動かもしれない。しかし、そんな大げさなものでなくても、ただ都会から遠ざかる列車に乗る。

それだけの贅沢が時にはあってもいいのかもしれない。

秋田能代五所川原を結ぶ五能線の車窓から