八ヶ岳は言わずと知れた信州の山で、富士山より大きかったという伝説も残っている。昔、富士山の神様が自分より大きい八ヶ岳の神様を叩き潰したため、八つのギザギザの峰になったんだとか。
なんとも言いようのない神話だが、叩き潰されたせいなのか、八ヶ岳の麓は富士山より広い。北は植生が豊かで苔に覆われているのに対し、南は岩稜帯となっていて、同じ山と思えないくらいの景色の違いとなっている。
この日はとにかく暑く、麓は35℃。風がないのがきつい。
ただ、緑はきれいで木漏れ日の中を行く。登山道の脇は苔に覆われていて、メルヘンチックな世界を醸し出している。
北八ヶ岳ロープウェイの駅から縞枯山、茶臼山と越え、麦草峠へ。麦草峠は八ヶ岳を東西に突っ切る車道が走っていて、ここに直接バスで来ることもできる。
さらに丸山を越えて高見石小屋へ。去年はここに泊まった。
山はたくさん越えているものの、展望が頂上は少なく、山としての特徴にはやや欠ける。とにかく緑を愛でながら歩くしかない。
黒百合ヒュッテの手前、中山の近くに来るとやや展望が開け、南八ヶ岳の岩稜が見えることになる。南の蓼科山もよく見え、休憩するのにちょうど良い。
当初、余裕があれば東天狗岳を越えて本沢温泉で温泉に浸かりたいと思ったが、久しぶりの登山なので黒百合ヒュッテでテント泊。
暑いせいかみんなビールを小屋で買って静かに飲んでいた。