山の頂上に登ってやること。それは、おむすびを食べることでも、「ヤッホー」と叫ぶことでもなく、富士山を探すことかもしれない。
関西出身の私にとって富士山とは架空の山だった。大阪、奈良、京都、兵庫ではどこに行っても山は見えたが、あんなお茶碗型のものは奈良の三笠山を除いてほとんどない。しかも、スケールは三笠の10倍以上だ。
関東に行ってからは、どの山に登っても富士山を探してしまう。
先週の八ヶ岳でも稜線に出たら、やはり富士山の方角を見てしまう。
神話によると、八ヶ岳は元々富士山より大きかったが、富士山の神が嫉妬して八ヶ岳の頭を叩き潰したのだとか。それで、八ヶ岳はボコボコ、ギザギザの頭になったんだと。
きれいな立錐の形をしているのだから、背の高低で嫉妬することもない気がする。
今回は風もなく、気温も高かったので、のんびり富士山を眺めることができた。
(風が強いと富士山方向に顔を向けたくないことがある)