クモノカタチ

山から街から、雲のように思いつくままを綴ります

勝負の人となるには

2月にぶっ倒れてからなんとなく気合いが入らず今日に至っている。

これじゃ良くないと思いつつも、気合いを入れてまた倒れたらと考えてしまう。今は気合い充電中。そんな状態なのだ。

 

伊藤礼『パチリの人』を読む。

「パチリ」は碁石を打つ擬音で、囲碁にまつわるエッセイ本で、伊藤礼さんのふわふわとした文体で書かれている。

パチリの人

囲碁というのは私も簡単なルールくらいしか知らない。白と黒の碁石だけで攻めと守りとか生きた、死んだとか言ってもよくわからないのだ。そもそもあの茫漠とした広い碁盤にどう打てばいいのか皆目見当がつかない。

筆者はその囲碁にどっぷりハマり、文壇仲間で腕を磨いて中国まで親善旅行として指しに出かける。なんでも文壇名人戦というのもあって、三連覇したらしい。

しかし、勝って喜び、負けて落ち込み、それでもまた指し。プロでない以上は時間の浪費のようにも思えるわけだが、金も生活もかかっていないからこそ純粋な勝負と言えるのかもしれない。

ふわふわとした文体ながら、指す時は真剣勝負だったのだろう。私もそろそろ真剣勝負で気合を入れ直した方がいいかもしれない。