クモノカタチ

山から街から、雲のように思いつくままを綴ります

パタゴニア ガルバナイズド

久しぶりに冬山用ハードシェルを買った。パタゴニアのガルバナイズドジャケットとパンツ。ウェブアウトレットで安くなっていたので衝動買いしてしまった。ちょっと大きめの買い物としては久しぶりなので興奮する。

2018年の締めくくりとして八ヶ岳に着て行ったので、アウトドアライターを気取って少しレビューを書いてみたい。

 

 

まずはジャケットの方。手に取っての感想は表面はレインウェアと違ってハードシェル独特のザラ付いた感触ではあるが、他社に比べるとかなり薄い。冬のハードシェルとして使っていたTHE NORTH FACEのクライムライトジャケットとどっこいどっこい。あちらは剛性が足りないのでお店の人に「厳冬期は使わないでください」と言われたのに比べると少しは耐久性はありそう。まあこれまでクライムライトも厳冬期にガンガン使ってのだが。

 ウェブ画面で見ているとオレンジという感じに見えたが、届いてみるとむしろ赤に近い色で実物の方が良かった。

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実際に使ってみると、裾は長いので雪山には充分だ。これまでクライムライトは裾が短くてお腹がよく冷えた。軽さと剛性は両立されている。防水透湿はH2Oというパタゴニアオリジナル素材だが、雪山なら別にGORE-TEXにこだわる必要はないだろう。

厳冬期用のジャケットは脇下にベンチレーションとしてジッパーが付いているモデルが多いがこれには付いていない。個人的にベンチレーションは不要だと思う。理由として、開けると閉め忘れる、開けた後に閉めるのがややこしい。冬用のゴツイ手袋ではとにかく開け閉めが面倒なのだ。私は暑ければせいぜいフロントジッパーを上下させて調節する程度。冬にめちゃめちゃに汗をかくほどの運動をしたらベンチレーションの有無より前に汗冷えして危険なことになる。

 

ポケットは左右のお腹に1つずつ。そして胸の真ん中に1つ。私は何かと胸の真ん中にあるポケットを重宝している。

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胸ポケット

今回この胸ポケットにはオリンパスの防水コンパクトカメラを入れた。サイズとしては ぴったりだった。

 

今回はヘルメットをかぶらなかった。かぶる場合に気になるのがフード。フードはきっちりヘルメットをかぶった頭が収まるサイズになっている。

ここで個人的に気になるのはフードを調節するヒモで、風が強ければすぐかぶりたい。一方で仲間の声が聞こえにくいので、いつもかぶりっぱなしも不便だ。パタゴニアの調節ひもはグローブをしていても十分引くことができる。フードを外すときは、最初の写真の首元に注目、首元にあるボタンを押せば締めたひもが緩む。ウェストのひもも同様の構造になっていて、裏の状態は下のようにシンプルだ。

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裾ひも

不満があるとすればジッパーがどれも固い。開け閉めが固いのが止水ジッパーの欠点ではあるものの、結構固く感じる。おまけにジッパーを引くための紐が華奢なので、紐がちぎれそうで不安になる。軽量化はわかるが厚手のグローブでも引きやすいようにもう少し丈夫な紐で、ジッパーももう少し開け閉めしやすいものに改善してほしい。

 

今度はパンツ。かなりペラペラ。レインウェアかというくらいの生地の厚さ。ただ履いてみるとフィット感はさすがだ。172cm、58kgでXSサイズで、丈もウェストもぴったり。今までモンベルアルパインパンツを履いていたが、サイズはMの丈LONG。普通のMサイズは丈が足りないのでLONGにしたら、尻や太腿はブカブカした。

ただし、このパンツはペラペラゆえに乱暴に扱うのは躊躇われる。尻セード愛好家としてはちょっと残念。千畳敷カールなんかは登りに50分かかる斜面を3分くらいで下れるのだけど。まあそのうち気にしないで尻セイダーに戻るかもしれない。

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ベルトがビブタイプ、サスペンダーになっているのがパタゴニアの特徴。冬は重ね着になるので特にウェスト周りはベルトだらけになる。ただ以前に買ったパタゴニアのソフトシェルパンツはサスペンダーが長いのか私の胴体が短いのかすぐに外れて役に立たなかった。今回は大丈夫そうだ。

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サスペンダー

履いて行動してみるとこれまで使っていたモンベルのパンツより細身なのがありがたい。冬用なので夏より少し太めなのはわかるが、股の間がシャカシャカこすれるのが気になっていた。ガルバナイズドは内股に歩かない限りこすれない。

裾は軽量化のためなのか、雪よけになるものは一切付いていないので、深雪ではスパッツが必須だ。私は今回、ゲイター付のシューズを使ったのでスパッツは着けずに使用した。八ヶ岳のように通年で人の多いエリアは深雪箇所が少ないという事情によるものだが。

 

 話は変わるが、パタゴニアの商品名は他のメーカーと違う。他のメーカーは山の名前や地名や用途をそのままというケースが多い。アコンカグアジャケットとかアルパインなんとかとか。パタゴニアは英語の国のメーカーだから(アメリカだし)辞書を引かないとわからない単語が時々出てきて面白い。

今愛用しているのはアセンジョニストの45と30なのだが、まず名称の意味がわからなかった。調べてみるとascensionは「昇天」という意味らしい。つまりascensionistは登攀者という意味らしい。登攀ならいいが、昇天じゃちょっと困ってしまうんだけど。Googleで調べるとキリストを中心とした宗教画がいっぱい出てくる。

ではガルバナイズドはどういう意味だろう。調べると亜鉛メッキと出てきた。かつて屋根材の種類を勉強した時にガルバニウム鋼板というのを習ったが、これは亜鉛メッキされたアルミニウム鋼板で、トタンの数倍の耐久性があり、ちょっとシャレた住宅の外壁や屋根に使われている。トタンは錫メッキですぐ剥がれて中の鉄が錆びてしまうが、亜鉛メッキははるかに頑丈なので外壁などに使っても大丈夫なのだ。

話が逸れてしまった。亜鉛メッキの耐久性にあやかって軽くて頑丈なハードシェルということで名付けたのかな。あとgalivanizeで電気刺激するという意味もあるらしい。ということはガルバナイズドの意味は”ビリビリ”という意味なのだろうか。

書いておいて結論が出ない。

 

まだ1度しか使っていないが、このガルバナイズドジャケットとパンツは非常に軽量での作りに不満はない。あと真価が問われるのは生地やジッパーの耐久性というところになるだろうということでまとめにしたい。