登山三種の神器は登山靴、レインウェア、バックパック(ザック)となっている。その中で最重要装備は何かと言えばレインウェアとなる。
ところが、私の父をはじめレインウェアにこだわりのない山男は結構多い。父曰く
「昔はゴアテックスのカッパが出た時はめっちゃ高かったなぁ。その後、東レが似たようなのが出たからそれを買った」
防水透湿ならなんでもいいとのこと。今でもホームセンターで買ったものを使っている。
我が相方は「私は絶対ゴアテックス!」と譲らない。
どっちが果たしていいのだろう。
私は今、パタゴニアのトレントシェルを使っている。理由は並行輸入品で安かったということで、焚き火の前でも着てたりしている。
これはゴアテックスではなくH2Oという防水透湿素材。最初はあまり期待せずに着ていたのだが、別にゴアテックスとの違いは感じなかった。
どうやら違いを感じるほどデリケートではないらしい。
一方で、相方はコロンビアのオムニテック素材を着たら、とんでもなく蒸れたという。どれどれと件のブツを広げてみたら、裏地が付いていて、レインウェアというよりスキーウェアのようだ。
蒸れた原因はオムニテックではなく、暑すぎたからではないかと思う。
先日、北岳に行った時は雪はあったものの、ハードシェルではなくレインウェアにした。日が照ると暑そうだったからだ。
実際、登りはレインウェアと長袖シャツのみ。下りはフリースを間に挟み、下るほどに脱いでいった。
寒暖差が大きいところではとにかく汗をかかないことが重要になる。汗だくだといくら透湿を謳っていても限界があるのだ。
結論を言うと上下で2万円以上するレインウェアなら防水透湿に大きな違いはない。あとは体型に合うかどうか。適切なウェアリングが肝心なのだ。
ホームセンターやワークマンで売っているレインウェアもある程度使える。沢屋は扱いが荒いのであえてそういうところで買うらしい。
昔、ホームセンターの上下1万円弱、真っ黄色というのを使っていた。別に製品に不備はない。ただ、パンツの裾がやけに短くて、雨が降ると靴がたちまちずぶ濡れになった。
安いから悪いわけではない。ただ、安物買いの後悔は案外高いものでの失敗より深いということを感じた。
試着しにくいという意味で安すぎる雨具は勧める気にはなれない。