週末、音響機器を見に行った。
自宅にあるCDプレーヤーはオンキョー製でこれもなかなかの代物なのだが、CDをうまく読み取らなくなっている。相方が持ち込んだもので、もう10年近く経っているというからやむを得ない。
スピーカーがきれいなので残してもいいと思ったりもするものの、バラバラに買うと結果的に高くつくのでどうしようかという感じだ。
とりあえず見に行った(というか聞きに行った)。
JVCのEX-S55が素晴らしい。ウッドコーンという木製のスピーカーで、1つのスピーカーで低音も高音も両方出す。2つのスピーカーで役割分けをしているのと違って、一体化した音として聴けるのがいい。
それと比べるとSONYのコンポは平板というか、音にメリハリがなくてなんとも響いてこない。15年くらいSONYのラジカセを使っていたけど、今聞くとチャチに感じるのはなぜだろう。
と分かったように書いてみたのだが、私は音響マニアではない。でも心に響く音があることだけはわかった。
一昨年、御殿場口から富士山に登った。
6月の最終週で、まだ人は多くない。というか御殿場口はまだ閉山状態なので、私と友人の他は1人しかいなかった。
登り始めると風が強くなる。危険というほどではない。ただ、登り始めは夕方だったので、間もなく日が落ちて、風の音だけになる。
富士山の風というのは他の山と違う。止まらないのだ。
ゴーゴーと吹き荒れ、腹に響く。他の山みたいにある種のリズムを刻まない。ずっと聞いていると気が狂いそうになる。
この時は、途中からラジオを聞いて逃げることにした。
富士山では狂おしい気分になった。それでも山で風の音を聞くのは嫌いではない。
今は電車も街も緊急事態宣言下で私語厳禁の無音の世界。
こういう時こそ音楽、水の音、風の音を楽しみたい。