クモノカタチ

山から街から、雲のように思いつくままを綴ります

命を燃やすのに値すること

日曜日はのんびり過ごした。

起床して朝食を食べてから2時間のランニング。帰宅してから本を読んでいるとそのままウトウト。昼食を軽く素麺で済ましてコーヒーを飲みつつまた読書。夕方、近所を散歩してから夕食の買い物。

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読んでいた本は、増田俊也木村政彦はなぜ力道山を殺さなかったのか』、升田幸三『勝負』、佐瀬稔『狼は帰らず』。

まったく脈絡がないが、いずれも戦後間を生きた男たちの物語である。

木村政彦は戦前に全日本柔道を三連覇した不世出の柔道家。戦後はプロレスで生計を立てるものの、力道山に敗れて名声は地に落ちる。木村政彦は本当の意味で力道山に負けたのか。あれはただのブック(プロレスのシナリオ)破りだったのかがテーマ。

升田幸三は将棋界初の三冠王(名人・王将・九段)に輝いた人物。戦中は南方戦線に派遣され、辛くも生き延びた。乗っていた船が魚雷に狙われたが、波で船が回転したことでかわせたという。

『狼は帰らず』の森田勝は谷川岳で滝沢第三スラブという雪崩の巣のようなルートを冬季初登攀した。「自殺行為」とも言える登攀に執念を燃やし、その癖の強さから、敬遠され、また愛された人物。

 

いずれの本も閃光のように生きた男をテーマにしている。

縄文時代の人間の平均寿命は13歳、戦国時代で20代後半だったという。今のように80歳にまで伸びたのはここ数十年の間。

平均寿命が20代となると明日死ぬ可能性というのが多分にあることになる。明日死ぬかもしれないと言われて現代人は今日何をしようと考えるのだろう。

今はコロナで「我慢」の時期とされている。

しかし、我慢のうちに確実に死は近づいている。命を燃やすに値することを見つけることが今の時代はもっと必要なのかもしれない。