クモノカタチ

山から街から、雲のように思いつくままを綴ります

高山本線の鉄道オタク

以前、発達障害に関する教育動画を見たとき、思わず笑ってしまったことがある。

自閉傾向にある人はこだわりが強く、ルーティーンを崩されるのを嫌がる。さらに鉄道などの好きが多いらしい。まさにそれに合致する人が職場におり、実例を前にして「な~るほど」と頷いてしまった。

とはいえ相方に言わせれば私も「わかりやすい自閉」らしい。笑ったのは決してバカにしているわけではないし、夢中になれることがあるのは幸せなことだと思う。

今夏の旅では富山から高山本線に乗って高山を経由して帰ってきた。

この高山本線だが、乗ってみると鉄道オタクがやたらに多い路線なのだ。発車の30分ほど前にホームへ行くともう並んでいる人がズラズラいて、電車が来る左側の席を確保する。それが済むと一度車外に出て写真を撮る。中には先頭車両の後ろで三脚を立てて動画撮影の準備をする者もいたりと慌ただしくオタク君たちが動き回っていた。

列車が動き出すと、鉄道オタクたちの動きが変わる。

ある者は運転手の様子をじっと伺い、ある者は外の景色をスマートフォンでカシャカシャとやる。今回見た鉄道オタクはみんなスマートフォンで写真を撮るようだ。

不可解なのが発車までに写真を撮りまわっていたオジサンで、せっかく景色の良い左側の席を確保したのに本を読み始めてしまった。景色には興味がないらしい。

 

高山本線は川沿いを行く路線である。ダムがやたらに多いのが気になるが、オタクにはそれすら嬉しいらしく、またもやパシャパシャとしている。

途中、猪谷という駅で一度下り、乗り継ぐ。下りると再び乗ってきた列車を撮り、乗り継ぐ列車をさらに撮る。

私としては旅より鉄オタ観察の路線となっていた。