今夏の山旅はとりあえず富山で区切りが付いた。
ここから関東にむけてどう帰るかだが、どうせなら寄り道しようと飛騨高山に寄ることにした。高山に着いたのは10時半頃で、とりあえず昭和まで現役の役所として使われたという陣屋を見学。意外とじっくり見てしまい昼に。
飛騨と言えば牛である。長良川の上流、郡上八幡であれば鮎かサクラマスとなるが、飛騨高山は山中の盆地。それくらいしか思いつかない。
古い町並みの残る中で飛騨牛の店を見つけて飛び込んだ。
飛騨牛には少々恨みがある。
冬に西穂高岳に登った際、新穂高温泉で飛騨牛の朴葉焼き御膳というのを食した。岐阜県のツートップとも言える組合せなので、間違いないと食したわけだが、味は普通だった。
分析するなら、肉は赤身が強くて少々厚切り。朴葉は焼くというより、煮るような形なので、厚切りだと火が通りににくくて肉が硬くなりやすい。加えて赤身なので、朴葉味噌だと少々淡泊なのだ。
岐阜育ちの相方に言わせれば飛騨牛の実力も、朴葉味噌焼きの実力もそんなものではないらしい。さて、どうだろう。
今回、入った店は高山の古い町家の一つ。
中には囲炉裏があり、骨董品のような家具でいっぱいの店だった。特に帳場がすごい。明治くらいからありそうな引出しに現金を入れている。
食事をする座敷にも古そうな玩具なのか骨董なのかがあって、待っている間も飽きないところだ。
さて、本題の飛騨牛である。
今回は薄切りで刺しの入った肉が出てきた。焼けるまで野菜の煮物などをつまむ。これもなかなか。
そして、ほんのりピンク色が残るくらいで肉に着手。見事にうまい。
解説すると、薄切りなので火のあたるところから早く焼けてしまう。焼けすぎないタイミングでさっと食べると、刺しの部分の脂がじんわり溶けて甘い。前回はどうやら厚切り過ぎたようだ。
味噌も甘すぎず辛すぎずで、見直したぞ朴葉味噌という感じである。
以前、「残念な名物」として取り上げてごめんなさい。
ここにお詫びして訂正いたします。