クモノカタチ

山から街から、雲のように思いつくままを綴ります

つづら折りの笠新道を登る~笠ヶ岳山行②

笠ヶ岳に登るには3つのルートがある。

上級者コースはクリヤ谷から沢沿いに進むルート。古来の登山ルートは藪や木に遮られない沢が多い。播隆上人ルートもおそらく沢ルートで登ったのではないかと想像される。ただ、この7月時点では沢沿いは藪の伐採が進んでおらず通行不能らしい。

メインは笠新道と呼ばれる直登ルートで、笠ヶ岳北の抜戸岳の頂上付近に出て稜線を辿って笠ヶ岳に行く。

最後に双六岳から南に伸びる縦走路から登頂するルート。これはやや長いので2泊3日くらいになる。

今回は王道の笠新道から上を目指した。

梅雨が明けたか明けてないか。とにかく蒸し暑い。

笠新道はひたすら登りで汗が噴き出してくる。霧で展望もほぼなし。時折花を愛でながら登るしかない。

笠新道に入って4時間ほどで坂をいったん登り切り、杓子平というところに着いた。

下山時には笠ヶ岳を見上げる絶好の場所だったのだが、登りの時は霧で何も見えず。登山というのはひたすらの苦行だ。播隆上人がどこかで見てそうな気がした。

杓子平からはさらに直登。日が出ると暑い。ただ、陰ると時折小雨が落ちる。どっちつかずのややこしい天気。

登る人の足取りはみんな重くなっていて、止まる進むを交互に繰り返す人が増えてきた。

杓子平からさらに2時間で稜線に出た。ここで目的の笠ヶ岳がどどーんと見えたかというとそうではなく、霧に陰る道がさらに伸びていた。

(つづく)