クモノカタチ

山から街から、雲のように思いつくままを綴ります

水根沢遡行と鷹ノ巣山登山②

さて、昨日のつづき。

水根沢名物のゴルジュを迎え、少し緊張した。どうやらここは側壁を高巻きできないので、突破するしかないようだ。

沢登りの怖いところは、不確定要素が多いのと、逃げ道がないことがあること。さらに下るのが難しいというケースがあり、進むか戻るかの判断を問われることがある。

名物ゴルジュはなかなかきれいだった。この何十倍というスケールを求めて本物の沢屋は寒い季節でも山に入るのだろう。偽物沢屋の私にはこれくらいがいい。

水の中を進み、1つ目の滝を登ると、2つ目のゴルジュが見える。ただ、その先がなぜか緑だ。

ゴルジュの側壁に足をかけ、突っ張るようにして越えてみた。意外と簡単だった。

そこで目にしたのは土砂と倒木で埋まった沢だった。どこを水が流れ落ちているのかわからないくらいに土砂で埋まっている。よく見るとその上の斜面が見事に削れていて、ここ何日かで崩落したのがわかった。

これにて沢登りは終了となった。

ゴルジュは狭い滝の部分なので、脇を迂回するのは難しい。下るか登るしかないわけなのだが、下るのは登る以上に難しい場合がある。

ふと右を見るとなんとなく登れそうな尾根がある。泥の斜面ではなく一部岩が出ているので、手がかり足がかりで行けそうだ。地図ではこの上に林道があるとなっているので登ればどこかであたるはずだ。

 

そんなわけで沢足袋のまま岩と小石と泥の斜面を登る。

途中から杉林の整備をしたような場所があり、そこを抜けるとやはり登山道だった。登って来た登山者と鉢合わせになり、向こうは突然変なところから人が出てきたので驚いていた。

時刻を見るとまだ8時半。ここからすぐ下りるのは惜しい。

さてどうしようかと思いつつ沢足袋を脱いだ。

(つづく)