山になぜ登るか。
"Because it is there."とジョージ・マロリーは言ったとされる。ただ、これを「そこに山があるから」と訳すのは誤訳だと本多勝一が書いている。「世界最高峰なんだから登るに決まってるだろ」、もしくは「当たり前だろ」と言いたかったのだという。
まあ、確かに世界最高峰の山があって、登山者がいれば登るのは当然の話で、聞く方が野暮というものかもしれない。
さて、世界最高峰でもない山に登る理由はいっぱいあって、しかも何回も同じ山に登る理由は人それぞれ。私の場合、今回はトレーニングと山頂からきれいな日の出が見たいというものだった。
2日目の早朝は小雨。日の出は期待できないかと諦めながらもヘッドライトで照らしながら登る。
後続は誰もおらず、独りとぼとぼと登ると頂上では小雨に遭う。しかし、東の空はぼんやりと晴れだし、雲の切れ間から富士山が見えた。
頂上での滞在時間は2分ほど。北岳や仙丈ヶ岳は全く見えなかった。寒いのですぐに下り出す。
すると空はどんどん晴れだし、青空が出てきた。くーっ!
ただ、七丈小屋でテントを畳んで五合目まで下りると今度は本格的な雨。
竹宇駒ヶ岳神社では晴れ。
本当に今年の天気はわからんという山行になった。