クモノカタチ

山から街から、雲のように思いつくままを綴ります

山の正装と会社の正装

平日、帰宅してワイシャツを見ると襟が徐々に擦り切れていることに気づいた。

うーむ。山道具は買う時にテンションが上がるのだけど、どうもスーツとかワイシャツを買うのは気が乗らない。そんなわけで、どんどん先送りにしていると相方に気づかれて叱られるのだ。

 

そもそも日本の会社はなぜスーツなのだろう。

5年前にカナダに行ったらスーツを着ている人なんてほとんど見なかった。「あっ、いた」と思ったらKPMG(監査法人)の事務所の前で、こういう人しか着ないのかと思った記憶がある。

そもそも、スーツは夏は暑いし冬は寒い。高温多湿の日本の気候とも合っていないのだ。

さらに遡って10年ほど前、山の友達と平日の仕事終わりに焼き肉を食べに行ったことがある。その友達の会社は私服で、その時も山の格好そのままという出で立ちで現れた。

最近、彼はその会社で夏に短パンはOKかと社長に掛け合ったらしい。それはOKとはならなかったらしいが。

 

日本では仕事着と普段着を厳格に分ける習慣がある。厳密なところは知らないものの、日本人は単に着替えるのが好きなんじゃないかと思う。

衣類を自由に選べるようになったのは歴史上ここ100年以内だろう。古代の官僚は洗濯のために休暇を取っていた(裸で洗濯していた)と言うし、江戸時代までの庶民は着た切り雀が当たり前。着替えるのは上流階級の象徴だった。

それが徐々に豊かになり、ここ数十年でファッションを楽しめるようになったのだ。

しかしねえ。最近は夏暑いし、スーツは少し勘弁してほしい。せめて登山用の薄手のパンツとTシャツくらいにしてほしいのだけどダメだろうか。