クモノカタチ

山から街から、雲のように思いつくままを綴ります

いろいろ経済学

最近個人的に読書ブームである。それというのも引っ越して図書館が近くなったことによる。今までだったら絶対買わなかったジャンルの本も図書館でなら手軽に手に取れる。しかも立ち読み、座り読みも自由。どうしても最新版を読めないのは残念だが、タダで読んでるんだから文句は言えない。

 

今日は適当に手に取った本を読んで仰天した。

ここのところ経済に興味が行っているので、日本経済についての本なのだが、パラパラとめくると、「日本がデフレ不況を脱却するには」とある。

ふむふむ。

「緊縮財政はダメだ」とある。

なるほど。

この人は財政出動の推進論者なのね。それで何に財政出動するの?と思ってページを進めると「国防費と公共事業を減らすな」とある。

えー!なんでそうなるのよ。

公共事業を減らすと建設業が衰退して自力でビルの建てられない国家になってしまうそうな。

さらに本は語る「国の借金なんて気にするな」。誰がその借金払うんじゃい。

 

私は経済については素人だが、この著者はここのところ読んでいた大前研一さんとか辛坊治郎さんなどと全く真逆のことを言っている。しかし、この方何冊か本を出しているらしく、社会コーナーにも著書があった。何が書いているのだろう。

大きな政府を目指せ」

まあ財政出動論者だからそっち側に立つのは当然だろう。ただ、その論拠は第一次世界大戦後のフランクリン・ルーズベルト大統領だという。1930年代って古すぎるでしょう。そんなケインズ理論の大昔の実例を出してきて今の日本のお手本ですって正気かいな。

本の裏をめくると、2011年発行とある。著者もそんなに年配ということもない。

 

あーびっくりした。今朝ブログをアップして全く真逆の意見に出会うとは思わなった。

私は公共事業すべてを否定するわけではない。しかし、その公共事業が社会の効率性に持続的に寄与しないのならやるべきではないと思う。建設業を守るためだけに不要なビルを建ててどうするというのだ。

もちろん、有効に活用されるものなら作っても良い。ただし、そんな有効な投資なら何も国がやる必要はない。民間でやれば良い。問題は有効な投資が見つからないことなのだ。

 

それにしても国防費を上げれば本当に経済が活性化するのかねぇ?国防予算は経済とは別次元の話のような気がするが。

大学時代に受けたマクロ経済学の講義で「蚊のいる国」というテーマがあった。

「蚊のいる国といない国があるとします。蚊のいる国では蚊取り線香や塗り薬などいろいろな蚊対策のための産業が発達しました。一方のいない国にはそのような産業は発達せず、失業率は高いままです」というのがおおよその内容だったと記憶している。要は無駄と思えるものも産業として成立すれば雇用を生み出せるということだった。

しかし、これから(というか「もう」少子高齢化社会なんですぞ。無駄を生み出す余裕なんてあるのですか?

 

世の中いろいろな意見があるものだ。