クモノカタチ

山から街から、雲のように思いつくままを綴ります

鉄アレイと男のロマン

相方がランニングシューズを見たいと言うのでスポーツ用品店に行った。昨年買ったランニングシューズが既にボロボロになっているという。私なんぞは5年以上履いているアシックスのシューズがまだ履けるのに、1年で履き潰すとはどういう走り方をしているのだろう。

ブームのせいかスポーツ用品店のメインはランニングで占められている。シューズとサポートタイツやキャップ、シャツが大半で、バスケットシューズとバレーボールがわずか。

相方が試し履きしている間に売り場をふらふらしていると、家庭用の腹筋台、ダンベルが置いてあるコーナーを発見した。

 

過去、ダンベルでしきりに鍛えていたことがある。

ここでジムに行ってウェイトトレーニングなんかしないのが私だ。実家にあった10kgの重りとあとは腕立て伏せ、腹筋、背筋、スクワットを繰り返し、実家の自室で汗だくになっていた。

こういうことはなぜか春先に始めたりする。

やはり新しいクラスや職場で「ええ格好しい」の心理が働くからだろう。今は見る影もないが、ブルース・リーよろしく片手で腕立てをして、結果首を痛めたりしていた。

今、大きめの公園に行って高鉄棒や懸垂台を観察すると、大半は40代以上ののオジサンが使っている。人は途切れることなく、誰かが去っては誰かが入る。ロマンを捨てない男たちがまさに列をなしているのだ。

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 日常生活では本当に重いものを持つことがない。

「箸より重いものを持たない」とは比喩ではなく、本当に10kg以上のものを持つことはまれになった。私もせいぜい登山用のバックパックくらいで、それも腕に提げたりはしない。

その意味ではダンベルでも欲しくなるのは当然の話。そのスポーツ用品店ダンベルコーナーでは最大27.5kgまで調節可というハイテクな奴が置いてあって、これまたひっきりなしに男たちが持ち上げていた(私もその一員)。

どんなに高収入でも、地位が高くても、ゴルフが上手くても、やっぱり男は腕っ節が気になるのだ。これは生まれ持った性。

世の中、地頭力だとか読解力がこれから生きていくのに大事だとか、どうも頭脳と学力偏重で時々つまらなくなる。特に大人になると足が速くても腕力があってもほとんど自慢にならない。

これからは多様性の時代と言い続けてどれくらい経つだろう。入社試験の項目に、50m走とか、腕力とかを入れてみたら多様な人材が採用できるかも。