クモノカタチ

山から街から、雲のように思いつくままを綴ります

コロナは外からやってくるという考えについて

昨年と年明けの緊急事態宣言に続き、「まん延防止等重点措置」とやらが出ている。略して「まん防」。

最近、北杜夫や娘の斉藤由香、阿川佐和子のエッセイ集を読んでいたので、「ドクトル・マンボウ」を思い出してしまった。「まん」がひらがな表記だと間が抜けて見えてしまう。

北杜夫は晩年、躁うつ病に悩まされ、躁状態になって突然「マンボウ共和国」を建国するとか言い始めたらしい。

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井の頭水生物館のサンショウウオ



さて、昨年から不思議に思うことがある。

小池都知事が「東京に来ないで」と訴えだした。奈良県知事も大阪で移されて帰ってくると言っている。

昨年の夏ごろは、沖縄県知事が「沖縄に来ないで」と訴えていた。

 感染症は人から人に移ることで拡散する。その意味では人が動かない方がいい。ただ、都内だけでこれだけ人がいるのだから、都内で都民が動いてもそれなりに感染はする。

昨年の沖縄も、すでに人口あたりの感染者数は全国で一番多かった。つまり、他都道府県から来た人が持ち込むより移される可能性の方が高い。

 

この訴え方がが正しいか、私の考えが正しいかはわかない。

しかし、「来ないで」コールには「禍は必ず外からやって来る」という考えが見て取れる。「他都道府県や海外から来なければ平和だったのに」という唐突な鎖国主義。そして、各自治体の首長がここぞとばかりに自分の言うことを聞きなさいと主張する。

思考停止状態を狙ったような感じがして、一種気味の悪さを感じるのは私だけだろうか。今は日本の都道府県がそれぞれ「マンボウ共和国」になりつつある。