ここのところ土曜日はFM横浜の"Futurescape"という番組を聞くことが多い。ハダカデバネズミから宇宙探査の話まで多彩なゲストが登場して面白い。
毎回、ゲストにまつわるメールテーマが設定されていて、先週はゲストがお坊さんということで、「煩悩」だった。
煩悩と言えば、今の私は山に登ったり、旅行したり、家に帰っては登山用品を見たりと煩悩の塊として動き回っている。
そんな欲のままに動いていている私の山道具にまつわる失敗について書いてみたい。
①結局、高いモノに買い直し
最初に登山用品店なりに行くとわかることがある。どれもやたらと高価なのだ。
ホームセンターなら2000円くらいで売っているバックパックが10000円とかする。UNIQLOなら2000円のフリースが15000円?
「まあそんなに本格的にやらないし」
とどうしても安く済ませようとしてしまう。
しかし、使い始めるといろいろな不満が出てくる。おまけにスタイリッシュでカッコよく決めた登山者に出会ったりすると、妙に意識してしまい、結局ネットやカタログとにらめっこを始めてしまうのだ。
私が失敗したのは日帰りのバックパック。最初にZERO POINT(モンベル)の20L。まだ実家にあるけど写真はない。
買ってすぐに気づいたのが、重いくせに容量がないことだった。20Lのくせに結構頑丈なフレームが入っている。そのせいで何も入っていないのに1kg以上。
なんでやねん!である。
結局、ドイターのSPEED30というモデルを買い直した。
これはアドベンチャーレース仕様ということで、軽い。しかも水抜き穴も開いているので沢でも使いやすい。
そういうわけで10年あまり使い倒して、ビリビリになって捨ててしまったのだが、ZERO POINTの方は実家にあって現役である。今は父親が使っていたりする。
それはそれでよかったのかも。
バックパックは買い直すにしても罪が軽い。劣化もするし、定期的に買い替えるからだ。フリースやインナーなんかも消耗品だからいざとなれば普段着にすればいい。
一方で厳冬期限定の道具なんかは滅多に買い替えないから、買い直しの罪が重い。
その典型が私のピッケルである。
最初に買ったのはグリベルのモンテローザというモデル。
ストレートシャフトのシンプルなもので価格も1万円しなかった。クランポンもグリベルなのでメーカーを揃えた。最初は誇らしげに一般登山道だろうが、プチ・バリエーションだろうが持って行っていた。
それが2年も経った頃から徐々に不満が出てくるのである。
今、ピッケルで人気なのがややシャフトの曲がったベントシャフトというもの。私が買った当時もすでにベントシャフトが人気で、友人たちの持っているピッケルもやや前傾したものだった。
ベントシャフトのいいところは急斜面でピックが刺しやすいこと。それになんとなくベテラン感があってカッコいいのだ。
そんなわけで2本目をうっかり買ってしまったのである。
クライミング・テクノロジーのもので、一応アイスクライミングでも使えますというモデル。確かに甲斐駒ヶ岳で急斜面に使った時は登りやすかった。
結局、2本は実際必要ないので、モンテローザの方は1本を相方に使ってもらっている。無駄にはしなかったという言い訳である。
そうやって今日もまた煩悩を断ち切れないで過ごしている。