ここ3日くらい背中の痛みの話ばっかりになってしまった。
今回は仰向けに寝るのもうつ伏せに寝るのも痛いという具合なので、寝てごまかすこともできないし、患部が劇的に良くもならない。
痛いと他のことを考えられないし、何より痛いのが他人からわからないので独り大袈裟に騒いでいるようで嫌だ。
結局、謎の肋骨痛になって病院では痛み止めと湿布を処方された。
痛み止めを使うかはアスリートの中でわりと意見が割れるようだ。身体の状態をそのまま知りたいという理由や痛み止めに頼りたくないということで拒否する人がいる。
癌で亡くなった山本"KID"徳郁は最後まで痛み止めを拒否したらしい。格闘家というのはそういうものかと感心した。
一方でプロ登山家の竹内洋岳さんは雪崩で背骨を圧迫骨折した後、背中にシャフトを入れ、痛み止めのボルタレンをボリボリ齧りながら登頂している。この時は何としても登りたかったらしく、薬切れになって麓から追加で届けてもらったそうだ。
同じ競技でも意見が割れることがあるようで、プロ野球の20勝投手・上原浩治(巨人・メジャー)は飲む派、斉藤和巳(ダイエー・ソフトバンク)は飲まない派。斉藤投手は痛み止めが切れた時の反動が怖い。上原投手はパフォーマンスを発揮するためにはできるだけのことをしたいとのこと。
いろいろ意見が分かれるようだ。
私はというとあまり飲む機会もないので決めていない。
3年前に歩くのも辛いくらいの膝痛に襲われ、それでもフルマラソンに強行出場した時には(無茶をする)ロキソニンをポケットに入れていた。スタート直後に痛くなったものの、最後まで飲まずに完走。終わってみれば痛みは自然と消えて、その日以来膝痛がないのは不思議だった。
確か6年前に顔面を強打して10針縫った時(これもマラソン大会)ももらった痛み止めを飲まなかった。別に深い意図があったわけでなく、痛みに鈍感なのだ。
さて、今回はどうかというと飲んでいる。手を伸ばしても、屈んでも、寝ていても痛いのでどうしようもない。
痛みとは生命の危険を示す生体反応だ。それを阻害するのは人間の都合によるもの。しかし、痛み止めがないと仕事も生活もままならないとなると一時的に痛みを止めるしかない。
ただ、痛みとは生きていることの証でもある。痛みを忘れる術を知ってしまったのは人間にとって果たしてよかったのかと時々考えてしまう。