クモノカタチ

山から街から、雲のように思いつくままを綴ります

いざ!北アルプスの楽園へ〜夏の雲ノ平山行④

山行2日目は4時半に双六小屋を出発。天気予報は曇りだったが、空は晴れていた。

天気がいいので双六岳を目指す。

のんびり登っていると途中で日が昇ってきた。この日は曇りか雨予報だったのが、見事に外れたらしい。

双六岳まではグイっと上がって広い稜線を頂上まで少し歩く。遠くは槍ヶ岳が望めて気持ちがいい。

余談ながら、富士山は見る山と言うが、夏の槍ヶ岳も眺める山かもしれない。槍の肩からは鈴なりに人が連なり、頂上は人がいっぱいで、1人下りたら1人上がるという方式。混雑すると人の心もギスギスする。

遠目に「あっ!槍だ!」と言っている方がはるかに平和だ。

それはともかく双六岳に登り、さらに三俣蓮華岳へ。

この日は天気はいいものの、断続的に雲がかかったり晴れたり。三俣蓮華岳は雲に覆われていて、「もうショータイム終了かな」と思っていたら、再び霧が抜け始め、ブロッケンが見えた。

雲ノ平は見えないものの、黒部五郎岳が見える。気づけば黒部五郎岳に登ったのも6年前。読売新道から赤牛岳、水晶岳と縦走したのは5年前。今あの時と同じことができるだろうか。それとも年を取ったと言い訳しながらのんびり旅に徹するか。

かつて登った山々を見ながら少し複雑な気分になる。

この日は三俣蓮華岳から三俣小屋に下り、そこからさらに下って黒部源流から雲ノ平へ登り返す。これが300mほど下って300mの登り返し。「三俣小屋からワイヤーロープかけてくれたらいいのに」と話すおじさんがいて笑いを誘っていた。

登山のいいところは歩いていれば着くところ。黙々と歩くとチングルマの群生する台地に上がった。

ようやく「いざ!北アルプスの楽園へ」である。