クモノカタチ

山から街から、雲のように思いつくままを綴ります

穂高岳山荘のテント泊~奥穂高岳・ジャンダルム・西穂高岳縦走②

「早く奥穂高から西穂高先へ行け」という声が聞こえてきそうだ。ただ、実際に行っても、ブログに書いてもあっという間なので、少しずつ引っ張るのである。

涸沢からザイテングラードを上がって穂高岳山荘に着いたのは1時過ぎ。もう汗だく。こんなに暑いとは思わなかった。

朝方は晴れ上がったのが、昼になると少しずつ雲が湧いてきた。それでも上の方は直射日光がカンカン照って薄着の人も多い。お昼からビールですという人もやはり多い。

テントを張って、昼食にアルファ米の五目ご飯を食べて、私も散歩に行った。

山荘からすぐ上の涸沢岳まで。もう雲がモクモクしていて、槍ヶ岳は見えない。遠く蝶ヶ岳笠ヶ岳も雲の中だ。穂高岳周辺だけ晴れているように見える。

独り年配の方が上がってきた。頂上で話をする。

聞けば涸沢に泊まって今日は北穂高岳に上がって涸沢岳まで縦走したのだという。足取りはゆっくりだが、かなり昔から登っている人と見えた。たとえ年を取って遅くなっても山に行けるのは幸せなことだ。

 

雲で展望が見えなくなってきたので再び下りて読書タイム。

今回は角幡唯介『極夜行前』を持ってきた。北極圏の極夜を歩くという話なので、当然寒そうだ。ただ、この日はテントの中もポカポカしていて、寝袋に足を突っ込んでいるとそのままうたた寝してしまった。

寝ていると外が騒々しいので起きだしてみる。

雲が飛騨側から流れてきてブロッケンが発生したようだ。私も起きだして虹の中心に立ってみる。ヨーロッパでは不吉の兆候と言われ、日本では仏の光背と見られた。ヨーロッパ系の人も見ていたが、非常にテンションが高く、とても不吉な感じで見てはいなさそう。

そんなこんな。

あれこれしているうちに、テント場も徐々に埋まってきた。昼寝したので眠くはないが、明日はジャンダルム。日が暮れるとすぐに寝ることとした。