それでは、いよいよ今回の真打、奥穂高岳・ジャンダルムへと行こう。
2日目は4時起床。なんやかんやして5時過ぎに穂高岳山荘を出発した。空気が乾燥していたからか、テントに結露が見られなかった。奇跡。
穂高岳山荘から岩場、はしごを直登する。
気温がこの日も高い。フリースとレインウェアを重ね着していたものの、すぐにシャツ1枚に。日の出前に奥穂高岳山頂に着こうと急いだ。
そして日の出。
すでに5人以上集まって待っている。東の空は既に明るい。この日は快晴ではないものの、雲が幻想的だ。
日が昇ると歓声が上がる。どんな一日も特別なのだ。
そして、私にとってもこの日は特別。6年ぶりのジャンダルムが待っている。
奥穂高岳からジャンダルムまでには馬の背などの難所が待っている。
言ってみれば岩場の稜線。ペンキではっきりルートを示されているので迷うことはない。ただ、ガレ場と大きな岩の連続なので、落石には注意したい。それと風の強い日や濡れているときは緊張感が増すだろう。
この日は乾燥していて風もなし。これで行けなければただの実力不足という最高の天気となった。
慎重に、慎重に行く。
このルートは長いのと岩が脆いことを除けば特別難しいことはない。ただこのルート、慎重に動き続ける集中力と体力が必要となる。
ジャンダルムは円筒のような形をしている。奥穂高岳と西穂高岳の両側から登ることができるのだが、西穂高岳側が一般的。
私は今回取付きに迷ってルートでないガレ場から登ってしまったが、落石を起こす危険があるので真似しないでほしい。
そして天使の舞うジャンダルムへ。前はもっとボロかったような。新しくしたのかな。
久しぶりのジャンダルムは気持ちいい緩やかな風が吹いていた。ただし、ここはルートのうちまだ前半。これからが本番なのである。