ジャンダルムに登った。
しかし、奥穂高岳から行くとこれはまだ全体の4分の1にも満たない。ここからさらに岩岩岩の連続なのだ。
ジャンダルムからの下りは険しいスラブ状の岩だ。
スラブとは滑り台のような傾斜を指す。特に穂高岳周辺は脆く、瓦のような形状をした岩が多い。瓦のようということは上からの引っ掛かりがなく、足の置き場に困ることを示している。
そういう場所には鎖が設置されているが、濡れていると相当怖そうだ。
クライミング用語で、ガリーと呼ばれる側溝のようなところを登り下りするところが多い。
奥穂高岳からは下りが多いので、体力的には楽。逆ルートから来る人の方が体力が必要だろう。
中間地点は天狗のコルで、ここからは岳沢小屋に下ることができる。
かつて岳沢から登ったことがある。このルートは岩の河原というか単なるガレ場を登る感じだった。
ここがルート上、唯一のエスケープルートなので、縦走を断念するならここしかない。この日はすぐ私の後ろを歩いていた若者がここから下って行った。
さて、ここから後半戦。
いきなり長い鎖の直登があって、天狗の頭に立ち、また下って間ノ岳を目指し、と細かいアップダウンを繰り返す。
相変わらず難しくはないが、嫌らしいルート。
一般登山道と違ってステップの置き方が見えにくく、歩幅によって苦労しそう。私は比較的手足の長い方だが、背の低い人は足が届きにくいとか、足場が見えにくいところもある。
今回、いっぱい写真を載せたけど、それにしても岩だらけ。
天狗のコルから西穂高岳は私にとって未踏だった。行ってみると高低差は少ないものの、細かいアップダウンが多くて、どれが名前の付いたピークかわかりにくい。
それ以外にも小ピークがいっぱいあってよくわからなくなる。
すれ違う中にとんでもない人がいた。今日は荷物を軽くして穂高岳山荘まで行き、明日逆に戻るという。西穂山荘にテントやら荷物を置いてきたのだとか。
私なら明日逆走するのは嫌だな。
西穂高岳に着いたのは12時過ぎ。
約7時間くらいか。体力的には大丈夫だったが、気を遣うルートだった。
しかし、これから先があることをこの時は忘れていた。