クモノカタチ

山から街から、雲のように思いつくままを綴ります

再びの下山後トラブル~奥穂高岳・ジャンダルム・西穂高岳縦走⑤

先週の記事の続き。

そんなわけで奥穂高岳から西穂高岳まで無事到着できましたとさ。めでたしめでたし。

そんな気分でいた私だったが、案外そうでもなかった。今回はそのことについて書きたい。

西穂高岳から西穂山荘までも結構急な坂が続いている。それはそうで、西穂高岳から北側は険しい稜線が続いているのに、南だけなだらかということはない。西穂高岳には冬にしか登ったことがないので、西穂高岳到着の段階で気を抜いていた。

まあそんなことを言っても仕方ない。黙々と下るしかないのだ。

西穂高岳からはピラミッドピーク、独標などなど細かいアップダウンを繰り返すことになる。それぞれのピークを越えるごとに人が増えてくる。

下る人より登る人が多く、すれ違いでの待ちが割と多い。

それでも1時過ぎには西穂山荘到着。その日に下山するか迷ったが、テント泊をしようと受付に行った。

すると山荘のお兄さんから「予約はありますか?」と訊かれる。うっかりしていた。穂高岳山荘は「今年度は予約不要」となっていたので、西穂山荘を調べていなかった。

「今日はいっぱいなので、予約のない方は受付できません」

非情の宣告である。小屋泊は余裕があるんだとか。

しかし、まだ昼なのだ。「ええい!」とその日中に下山を決意。ロープウェイの最終は4時だ。

今まで以上の猛スピードで下る。結局、30分で新穂高ロープウェイ駅に着くことができた。

ロープウェイは満員御礼。1時45分の便に乗る。山の中腹の紅葉がちょうどいい時期。

山頂付近は雲が湧いて下からは見えなくなってしまった。

ロープウェイを2本乗り継ぎ、今度は平湯温泉行きのバスを待つ。下山を決意したのはいいものの、交通手段を見ると、松本から新宿行きのあずさ号は最終便となっていた。

松本に定刻に到着できないと帰宅はできない。実にロープウェイ駅から帰宅まで9時間以上かかるのだ。

 

焦っても仕方ないので、平湯温泉では待ち時間に温泉に浸かり、さっぱりする。

「平湯の森」というところだったが、600円で施設はかなり立派。露天風呂だけで6つもある。土曜の夕方ということでかなりいっぱいだった。

そして、バスターミナルで昼飯でもと思って戻ると、すでにレストランは閉まっていた。昼営業しかしないらしく、15時閉店。いつも隣で飛騨牛串焼きなんかを売っている店も閉店間近で残りはコロッケ1つ。

こうなったら松本駅で駅弁でも買うかと考える。

 

さて、レストラン閉店トラブルから3時間後、待ちに待った松本駅に着いた。

急いであずさ号の切符を買い、改札内の駅弁屋へ。そして見たのはカラの棚だった。

結局、一度改札を出て、コンビニで親子丼を買い、あずさ号に乗り込むやガッツき、発車するより先に完食した。

やれやれ。

この夏は八ヶ岳登山で下山後バスがなく、雲ノ平山行ではテント泊の予約をしてなかったり。私の登山には登山そのもの以外でのトラブルが多すぎる気がする。