クモノカタチ

山から街から、雲のように思いつくままを綴ります

灼熱、大雪山登山〜2023北海道山旅②

暑い東京を抜け出して北海道へ。

東京都民にかかわらず、誰しも暑い夏に北海道へ行くというのは憧れなのだ。最近は酷暑が続くので余計に憧れは渇望へと変わっている。

早朝、羽田空港から旭川空港へ。一便に乗るとほとんど待ち時間なしで旭岳ロープウェイへのバスに乗れる。

サクサクと登山口へ行けてしまうのだ。

予定では大雪山の最高峰旭岳に登り、その後南下してトムラウシ山を経てトムラウシ温泉へ下山、帯広で豚丼を食べるというマスタープランだった(わりと安い)。

ところが天気予報では、今回も2年前と同じく、2日目に天気が崩れ、3日目は台風に伴う暴風と出ている。2年越し、計画して3年経つのに、またしても断念となった。

とりあえず、2日間を楽しむべく、旭岳に登り、北上して黒岳まで縦走、層雲峡に下りるプランに下方修正する。

ところが、またしても「ところが」を連発するが、ロープウェイを下りたわれわれを迎えたのは北国の清涼な風、ではなく灼熱の太陽だった。

暑い。

明日から荒天とは思えぬジリジリした日差しが照りつける。おまけに大雪山というのは火山だけあって木陰がない。まるで富士山のような石と砂の斜面を登ることになった。

 

お盆休みも最後とあって頂上は賑わっていた。われわれのようなストレンジャーではなく、北海道民だろう。

ロープウェイを使っての軽装が大半で、マットを外付けした装備は珍しい。すれ違った女性に「どこまで行くの?トムラウシまで?今日は白雲まで行く?」と訊かれる。悪天候が理由とはいえ、層雲峡止まりというのはなんとも間が悪い。

その日の泊まりは裏旭岳の幕営場。前回来た時にあった雪渓はほとんど残っておらず、酷暑がしのばれる。

テントを張り、まずは読書。日が傾いたので外で米を炊いて、無印のカレーを食べる。あとはコーヒー。

夏の時間が豊かに流れていった。