最近「Z世代」という言葉をよく目にする。正直な感想を言うと「カッコよくていいなぁ」である。
生年は明かさないけど、私にははっきりと属する「〇〇世代」という言葉はない。学校週休２日制も経験していないので「ゆとり世代」にも該当しないし、「就職氷河期世代」とか「ロスジェネ」も微妙に外れる。十代の頃は「キレる十代」とか言われたっけ。それもすぐに聞かなくなった。
作家の原田宗典は少し上の「団塊の世代」という人たちを見て「いいなあ」と感じたそうだ。今ネットで見たら原田宗典の生年は1959年で「しらけ世代」となっていた。確かに「私、しらけ世代だから」などとは言いたくないだろう。
かつてラジオで'ゆず'の２人が「ゆとり世代」のADを「ゆとり～ズ」とか言ってからかっていた。ただ、名無し世代の私としては「しらけ」だろうが「ゆとり」だろうが何か名称を欲しい気もする。
思うに世代名というのは上の世代が下の世代を理解できないという表れである。
現実に直面する「よくわからん相手」というのは特定の彼・彼女だったりする。それを、「あいつは〇〇世代だから」と言って無理やり納得してしまうわけだ。
実際、私の身近にZ世代がいるのだが、特に「デジタル技術を使いこなしとるなあ！」と感心することはない。むしろ「その程度のことはインターネットで調べられるだろ」ということを訊いてくる方が大半。テレビをあまり見ない世代だそうで、確かにテレビの話はしない。ただ、テレビを見ないという意味ではきっと私の方が上を行っている。
特定の１人に世代の特徴が現れているとは考えにくい。
不思議なことに「〇〇世代」という表現は若者限定で使われるため、一定期間を過ぎると消滅してしまう。今でも使われるのは「団塊の世代」くらいだ。
その世代が社会に認知され、むしろ他の世代を理解できない立場になった時、「○○世代」の呼称は消えてしまうのだろう。十分にわからず屋の大人になってしまった証なのかもしれない。
それにしても「Z世代」ですか。カッコいいですね。
