クモノカタチ

山から街から、雲のように思いつくままを綴ります

ネットワークビジネスと好奇心

相方は人がいいというか、騙しやすいと思われがちなのか、よくネットワークビジネスやら新興宗教の勧誘を受ける。

「カレーパン パーティーしよう!」と誘われてホイホイ出かけたら、4人中3人がさるネットワークビジネスの会員だったとか。そして誘ってきた人の部屋にある物のほぼすべてがそのネットワークビジネスで購入したものだった。

それを見て相方は「商品を選ぶ自由や楽しみを奪っている」と感じ、怖くなったそうだ。

相方が言うには、彼・彼女らはネットワークビジネス云々以前に、「そこの商品は素晴らしい」と盲信しているらしい。

化粧品を使えばお肌ツヤツヤ、サプリメントを飲めば風邪も引かず、料理は失敗なし。まさに信じる者は救われるといった具合だ。

私もサプリメント商品を勧められたことがある。ただ、その時はサプリメントの成分を調べ、ひと月にかかるコストを計算した結果、「しっかりとした食事を摂る方が安い」という当たり前の結論に至ってしまった。根がケチなのだ。

結局、分厚いカタログはしばらくして邪魔になったので、くれた人には申し訳ないが古紙回収に出してしまった。

 

相方はこういうビジネスに嵌ってしまう人を見て、彼らがかなり無理な生活をしていると感じたという。そして「勉強しないといけないな」と嘆息した。勉強していれば自ずと疑問が生じる。そうすれば「なんかおかしいな」と気づくというのだ。

ただ、私が不思議に感じるのは好奇心のなさだ。「この商品は良い」と聞けば、他との素材や成分の違いが気になる。疑問というより単純に知りたい。

「これはお得だ」と聞くとどのくらい得か計算したくなる。どのくらい得なのか知りたい。

知りたいというのは人間が特別多く持っている欲求だろう。ある意味で人間を人間たらしめるのは、意味はなくとも知りたいという抑えがたい欲だと思う。

その欲を抑え込んでしまうところがネットワークビジネスの本当の怖さなのかもしれない。